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【琵琶湖の島②:竹生島】周囲約2km、面積約0.14㎢の「神が棲む島」
長浜市の湖岸から約6kmの場所にある竹生島は、周囲約2km、面積約0.14㎢の島。昼間は寺社関係者や売店の従業員が滞在していますが、夜間は無人島となります。島名は「(神の)斎(いつく)島」に由来し、「いつくしま」が「つくぶすま」に変わり、「竹生島」になったといわれています。島名の由来からもわかるように、古くより信仰を集めてきた「神が棲(す)む島」です。
島内には日本三弁財天のひとつである都久夫須麻神社の本殿(国宝)のほか、宝厳寺に唐門(からもん)(国宝)や観音堂(重要文化財)などがあり、年間15万人が訪れる観光スポットになっています。竹生島へは長浜港、今津港、彦根港から定期便が運航しており、さらに観光船で渡ることもできます。
竹生島は山の一部??地形の謎
竹生島は、面積が約0.14㎢であるのに対し、最高標高が197.6mもあります。そのため島全体が急峻な地形を成しています。琵琶湖西側付近の水深は100m前後あるので、竹生島の湖底からの高さは300mほどになります。琵琶湖のなかにいきなり300mクラスの尖った山がある不思議は、太古の地形をもって説明できます。
現在の竹生島は、数百万年前に急峻な山岳地帯の一部だったと考えられています。その後、約50~40万年前に琵琶湖周辺に地殻変動が発生。湖底が沈降し、そこに水が溜まっていったため、山地は湖面に沈んでいきました。そのうちの一部が竹生島として残り、湖面から顔を出しているのです。
竹生島
- 住所
- 滋賀県長浜市早崎町
- 交通
- JR北陸本線長浜駅から徒歩10分の長浜港から竹生島行き観光船で30分、竹生島港下船すぐ
- 料金
- 入島料=大人600円、小学生300円/宝物館入館料=300円/(汽船の料金は乗り場により異なる)
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【琵琶湖の島③:多景島】日蓮宗見塔寺の境内となっている無人島
彦根市八坂町の沖合約6kmの場所にある多景島は、周囲約600mの無人島。島名は、見る角度によって異なる表情を見せることに由来します。島全体が日蓮宗見塔寺(にちれんしゅうけんとうじ)の境内となっていますが、彦根港発着の多景島航路のうち「上陸便」に乗れば多景島に上陸でき、30分滞在することができます。
多景島
- 住所
- 滋賀県彦根市八坂町
- 交通
- JR琵琶湖線彦根駅から無料シャトルバスで15分、彦根港から多景島行き連絡船で20分、多景島港下船すぐ
- 料金
- 乗船料(往復)=大人2000円、小人1000円/(入島料含む)
【琵琶湖の島④:沖の白石】大小4つの岩の名称
湖のほぼ中央に位置する沖の白石は、湖面から突き出す大小4つの岩の名称。名前の由来には、岩が太陽光で白く見えるからという説と、鳥のフンが付着して白く見えるからという説があります。船で周囲を回ると角度によって色が異なって見えることから別名「化石(ばけいし)」と呼ばれています。
付近の水深は約80mで、最も大きな岩の高さは湖面から約20mあり、大岩の湖底からの高さは100m前後あります。湖底からそびえ立つ巨岩の姿は神秘的で、琵琶湖の「パワースポット」のひとつです。岩なので上陸はできませんが、観光船の窓から眺めることができます。
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・近江はいつから始まった?近江と呼ばれるワケ
・近江盆地の地形と気候/琵琶湖はいつできた?
・「琵琶湖八景」と「近江八景」の違い/琵琶湖に浮かぶ四つの島々
・琵琶湖に流れ込む川は約450本もあった!
・京都を復活させた琵琶湖疎水
・琵琶湖以外にも湖、あります。湖だけじゃない滋賀を囲む山々
・滋賀県の温泉
・「津」がつく地名が多いのははぜ?
・「両側町」という形をとり「大津百町」と呼ばれた
・京都・三重・岐阜・福井と隣接する三県境
Part.2 滋賀を駆ける充実の交通網
・「瀬田の唐橋を制するものは天下を制す」ともいわれた軍事と交通の要
・「道の国」とも呼ばれた近江のさまざまな街道と宿場
・鉄道や国道が「草津川」の下をくぐる必要不可欠なトンネル
・琵琶湖上をかける外輪船、初めて浮かんだのは「一番丸」
・揖斐川と琵琶湖をつなぎ1トン級の船舶を通す「日本横断運河計画」とは?
・「夢のかけ橋」と呼ばれた琵琶湖大橋
・私鉄開業ブームで伸びる私鉄網
・時速130キロメートルで運行される「湖西線」
・観光と輸送の主要駅である「米原駅」と「草津駅」
Part.3 滋賀の歴史を深読み!
・遺跡から見る古代の近江のすがた
・滋賀県は首都だった。天智天皇が遷都した近江大津宮と紫香楽宮
・日本の仏教史において重要な「近江」、天台宗は比叡山で開かれ都道府県別寺院1位!
・自治組織としての「惣」と「近江商人」、伊藤忠兵衛の活躍
・種子島から国友に伝えたとされる火縄銃
・戦国の二大決戦「姉川の戦い」「賤ヶ岳の戦い」
・滋賀県の城と武将たち
・歩兵連隊が所在し「軍都」と呼ばれた近江の戦争遺産
Part.4 滋賀で育まれた産業や文化
・近江にもたらされ、広まった土器の技術
・彦根藩の特産となった「浜縮緬」と生産量世界1位の「レーヨン」
・大企業が進出、工業団地がたくさんあります
・近江神社いろいろ、「祭り」もいろいろ
・1万年前から続く「湖の幸」と外来種の襲来
・外国人が造ったレンガ造りの田川カルバート
・天候と土地の広さから競馬と密な関係にある滋賀県
・青土のダム穴
・「鳥人間コンテスト」はなぜ始まったのか?
・スポーツが盛んな滋賀県
・大型ショッピングモールが完成、敷地のほとんどが駐車場
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