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恐竜化石が見つかった!②:新種恐竜カムイサウルス!むかわ竜(北海道)

2013(平成25)年7月、驚くべき発見と呼ぶにふさわしい恐竜の化石が、現在の勇払郡(ゆうふつぐん)むかわ町穂別(ほべつ)で見つかったと発表されました。その後につけられた名は、アイヌ語の神を表す語「カムイ」を冠したカムイサウルス

調査が進むにつれて発見された骨格は、全身の約6割、体積でいえば8割を超えました。2016(平成28)年12月には「むかわ竜」という通称が与えられ、多くの人が知ることになりました。

恐竜研究史にもたらされた大発見!国内最大級の全身骨格化石

大発見の端緒は、2003(平成15)年、現在のむかわ町立穂別博物館に寄贈された骨化石でした。しかし、海の堆積層が発見されたこともあり、多くの標本が見つかっている海の大型爬虫類、首長竜の化石だと考えられました。そのため、とくに注目されずに収蔵庫へ収められたままになりました。

その後、首長竜の化石研究のためにクリーニング作業を進めたところ、2011(平成23)年、首長竜のものではなく陸上で暮らす恐竜のものである可能性が浮上しました。ハドロサウルス科の恐竜と推定された尾椎骨(びついこつ)の化石は全部で13個。それらをつなげてみると、約1mの尻尾が現れたのです。

こうして尻尾部分が相次いで見つかったことから、発掘現場をさらに調査すると全身が埋まっている可能性が出てきました。そこで2013(平成25)年に大規模な第1次発掘が行われ、右大腿骨を含む後ろ足など全体の3割程度が、翌年の第2次発掘では残りの体と100点以上の遊離した歯や頭骨の一部などが確認されました。

 

恐竜化石が見つかった!③:国内初のティラノサウルスの化石!(長崎県)

CGを駆使した恐竜映画で人気者になったティラノサウルス。
じつは、この恐竜の大型種の化石が国内で初めて見つかったのは、長崎半島西海岸でした!

恐竜化石が続々発見!2021年秋には、恐竜博物館も開館!(長崎県)

2010年、長崎半島の西海岸でハドロサウルス類の恐竜の骨が化石で見つかったのです。ハドロサウルス類は幅広いくちばしを持つ植物食恐竜で、白亜紀に生息していました。長崎県内で初めての恐竜化石発見に勢いづいた長崎市は、2012年から福井県立恐竜博物館と研究に関する協定を交わして、翌年から共同試掘調査に本格的に乗り出し、継続的な化石収集に取り組みます

2012年、2013年と恐竜化石を次々と発見。そしてついに2015年、三ツ瀬層からティラノサウルス科の大型種としては国内初となる化石を含む、3点の肉食恐竜の歯の化石が発見されました。

この大型種の化石は、北米とアジアにまたがって繁栄したティラノサウルス科の分布域とアジアでの年代を知るうえでの重要な資料として、大きな注目を集めました。

2021年10月には、野母(のも)町に「長崎市恐竜博物館」が開館。長崎の「恐竜の町」としてのイメージが世界中に浸透していくかもしれません。

恐竜化石が見つかった!④:琥珀採掘場で発見!ティラノサウルス類の歯(岩手県)

久慈(くじ)市周辺は日本国内では随一の琥珀(こはく)産地として知られています。琥珀とは、数億〜数千万年前に地上に茂っていた樹木の傷口から分泌された樹脂が、土砂などに埋もれて化石化したものです。

久慈層群玉川層からは、琥珀とともに多くの植物や動物の化石が見つかっています。とくに注目を集めているのが、2018(平成30)年6月、久慈琥珀博物館(久慈市小久慈町(こくじちょう))が運営する琥珀採掘体験場で発見されたティラノサウルス類の歯の化石です。

琥珀採掘体験場は、久慈琥珀博物館から北東に300mほど離れた場所にあります。アイスピックや移植ベラを使って、白亜紀の地層から琥珀の採掘を体験することができます。ティラノサウルス類の歯化石は、ここで採掘体験をしていた来館者が偶然発見したものでした。

恐竜化石が見つかった!⑤:川底の地層から発掘された丹波竜(兵庫県)

2006年8月、丹波市内を流れる篠山川の川底にある篠山層群の地層(約1億1000万年から約1億年前)から、恐竜の化石が見つかりました。発見したのは、丹波市在住の元高校教師とその友人でした。以降、毎年冬に行なわれた6回の調査により、恐竜の歯や背骨、頭骨の一部が発掘されました。この恐竜には、地名にちなんで「丹波竜」という愛称が与えられました。

篠山層群の時代には大陸と日本列島は地続きであったため、恐竜をはじめとするさまざまな動物が当時の日本には生息していたと推測されます。

恐竜化石が見つかった!⑥:「化石の島」でクビナガリュウを発見!(鹿児島県)

八代海に浮かぶ小島・獅子島は、恐竜がいた時代の地層でできた「化石の島」。
この島は、隣の熊本県・御所浦島(ごしょうらじま)とともに日本有数のアンモナイトの化石の産地として知られています。近年、獅子島がとくに注目を集めているのは、2004(平成16)年2月、獅子島南西部幣串地区の海岸付近でクビナガリュウの化石が見つかったからです。発見したのはアマチュア化石採集家の宇都宮聡(うつのみやさとし)氏です。

クビナガリュウとは、中生代ジュラ紀から白亜紀にかけて栄えた、海にすむ大型の爬虫類のことで、発掘されたのは頭や首を中心とする体の前方部分。日本でもクビナガリュウの仲間の化石は比較的多く見つかっていますが、九州ではこれが初めて。しかも国内最大級のクビナガリュウの化石でした。

恐竜化石が見つかった!⑦:サンチュウリュウの足跡を発見!(群馬県)

群馬県内から国道299号で神流町方面へ、志賀坂トンネルを抜けたあとしばらく走っていると、途中で「瀬林(せばやし)の漣痕(れんこん)」と呼ばれる群馬県指定天然記念物があります。

漣痕は白亜紀にできた水流の痕跡がそのまま岩になって残ったもので、いわば「水流の化石」です。瀬林の漣痕は、1953(昭和28)年の道路拡張工事の際に姿を現しました。当時、調査チームが研究を行いましが、その際に漣痕とは別のくぼみがあり、当初は正体がわからず「奇妙な穴」と呼ばれていました。
1985(昭和60)年、その正体が恐竜の足跡であることが判明。日本初の恐竜足跡化石ということで、日本中が色めきたちました。さらに、サンチュウリュウ(オルニトミモサウルス類)、スピノサウルスの一種、ティタノサウルス形類の一種など4点の恐竜化石が発掘されました。

神流町内には「神流町恐竜センター」という展示施設があり、ここでは化石発掘体験もできます。

神流町恐竜センター

住所
群馬県多野郡神流町神ヶ原51-2
交通
JR高崎線新町駅から日本中央バス上野村ふれあい館行きで1時間40分、恐竜センター下車すぐ
料金
入場料=大人600円、小・中学生300円、企画展は別料金/化石発掘体験(1時間、要予約)=500円/化石レプリカ作製体験(先着順)=300円/(20名以上の団体は大人550円、小・中学生250円、障がい者手帳持参で入場料半額)

恐竜化石が見つかった!⑧:国内初発見の肉食恐竜、御船竜(熊本県)

1979(昭和54)年8月、この御船層群下部層からサメの歯のような化石が発見されました。発見者は高校教員の父親に連れられ、夏休みの自由研究として浅海生の貝化石を採集しにきていた、小学1年生の男の子でした。その化石が国立科学博物館に送られ、横浜国立大学の長谷川善和教授によって、肉食恐竜の歯の化石であることが発表されると、「日本初の肉食恐竜の化石発見」ということで大きなニュースとなりました。

恐竜化石が大量に発見され、恐竜博物館もオープン!

1990(平成2)年3月には、御船層群の上部層から複数の恐竜骨化石が発見され、この発見がきっかけとなって、同年7月から御船層群の恐竜化石発掘調査が開始されました。調査によって化石が大量に見つかり、1998(平成10)年には御船町恐竜博物館もオープンして研究や教育活動が行われるようになりました。

御船町恐竜博物館

住所
熊本県上益城郡御船町御船995-6
交通
JR熊本駅から産交バス交通センター方面行きで10分、熊本交通センターで熊本バス田迎経由御船行きに乗り換えて45分、御船町恐竜博物館前下車すぐ
料金
大人500円、高・大学生300円、小・中学生200円(団体割引あり、障がい者割引あり)
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