更新日: 2024年1月13日
補陀落渡海とは?かつて熊野三山では僧侶を生きたまま海へ流し浄土へ送っていた
江戸時代までの熊野三山では、究極の苦行と呼ばれる仏教儀式「補陀落渡海」(ふだらくとかい)が行なわれていました。那智の僧侶が単身で海原に旅立った理由とは何だったのでしょう?
「補陀落渡海」は自ら過酷な状況下において極楽浄土を目指すこと
補陀落の語源はサンスクリット語の「ポータラカ」で、その意味はインド南方の海域にあるという「浄土」のことです。つまり、補陀落渡海にのぞむ僧侶などが、日本の南にあるとされる極楽浄土を目指し、船出したのです。
このとき僧侶に与えられたのは、1か月分の食料と照明用の油のみです。全長6mほどの小舟には人ひとりが入るのがやっとの箱が置かれ、その四方には鳥居が建てられます。僧侶が箱のなかに入ると、戸口には釘が打ちつけられるので、乗船すれば二度と外へは出られません。これほど過酷な状況下で、僧侶は衰弱死するまで読経しながら海原を漂流するのです。
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