サヌカイトは石器遺跡として大量に出土
1978年、瀬戸大橋の架橋工事に伴って3万年~1万年前の旧石器時代の遺跡が発見されました。与島西方遺跡では約13万点、羽佐島(わさしま)遺跡では約35万点を数える膨大な数の石器やその破片が出土し、その約98%がサヌカイトでした。
五色台は、海にも近く交易にも有利でした。温暖化で氷河が融け海面が上昇した縄文早期には、今の瀬戸内海と同じ地形が現れ、サヌカイトは舟によって讃岐から各地に運ばれたと考えられています。
サヌカイトの特徴と使われ方
サヌカイトは、加工しやすく切り口が鋭利なため、縄文時代から弥生時代にかけてナイフのように使う石器として、瀬戸内から高知県や日本海まで広く分布していました。
さらに、叩くと高く澄んだ音がするため、江戸時代には「馨石(けいせき)」、現代では「カンカン石」とも呼ばれ楽器としても親しまれています。その音色に魅了された音楽家の秋山邦晴(あきやまくにはる)はサヌカイトを使い、1964年の東京オリンピックにおいて、選手村の食堂で流れる曲をつくりました。開会式でもサヌカイトの石琴が使われました。
崇徳上皇が静かに眠る白峯御陵
保元の乱で破れて讃岐に流された崇徳上皇は1164年に崩御し、五色台の白峰の山頂近くの「崇徳天皇陵(白峯御陵)」に葬られました。崇徳上皇の遺体は八十場(やそば)の泉に浸したあと、白峰山で荼毘(だび)に付されたといいます。
都以外に葬られた天皇(上皇)は、崇徳天皇・安徳天皇(あんとくてんのう)・淳仁天皇(じゅんにんてんのう)のみです。都から遠く離れた御陵であったため、江戸時代には荒廃しますが、高松藩主・松平頼重(まつだいらよりしげ)らにより、修復が重ねられました。八十場駅の近くに、四国八十八ケ所第79番札所「天皇寺」があります。
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