【日本の油田】新潟県の油田
新潟県は、日本一の原油・天然ガス産出県です。2020(令和2)年の原油生産量は32万8746キロリットルで国内生産の64.2%、天然ガス生産量は17億4750万立方メートルで国内生産の76.1%を占めています。
日本列島は、海洋プレートの運動によって東西に圧縮され続けているため、新第三紀や第四紀といった新しい時代の地層が北北東から南南西に伸びる大きな褶曲構造をなしています。その結果、新潟の中越地方から上越地方を中心とした日本海にかけての地域で褶曲構造が発達し、油ガス田地帯が形成されているのです。
【日本の油田】静岡県の相良油田
太平洋岸唯一の石油坑「相良油田(さがらゆでん)」の石油は、深さ310m、岩と砂岩などが交互に積み重なる第三紀中新世紀の相良層という地層から採取されていました。非常に軽質で低粘度、ウイスキーやブランデーのような透き通った琥珀色の液体で、精製せずにそのままでも自動車が動くほど高品質だったと言われています。
そんな相良油田も、産油量の激減や国外からの安い原油の輸入により1955(昭和30)年には採掘停止に。その後、1980(昭和55)年には相良油田石油坑が静岡県指定文化財(天然記念物)となり、現在、その跡地は油田の名残をとどめる「相良油田油井」として、観光と研究用に残されています。
【日本の油田】千葉県の五浦海岸にかつて油田があった
2020(令和2)年、北海道大学と茨城大学の研究チームが驚くべき成果を発表。五浦海岸にはかつて巨大な油ガス田があったというのです。
五浦海岸の炭酸塩の炭素同位体組成が、海水に溶けている炭素とは違うことなどから、研究チームは炭酸塩コンクリーションに残留している微量のガスの成分などを分析。その結果、炭酸塩コンクリーションを構成するほとんどの炭素が、地下深部の熱によって生成した天然(メタン)ガスに由来していることを明らかにしました。約2000万〜1500万年前、日本列島が大陸から分離したとき、激しい地殻変動によって海底深くにあった油・ガス田に亀裂が入り、数万年にわたって天然ガスが断続的に漏れ出していたのだとされます。しかも、五浦海岸沖には今も油ガス田が存在する可能性があるのです。
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