地殻変動で九州が南北に分断!
しかし、今から約200万年前、大きな変化がありました。それまでフィリピン海プレートはほぼ真北に向かっていたのですが、東から向かってくる太平洋プレートの勢いに押されて、北西方向に沈み込むようになったのです。
その結果、西南日本を西に引きずる力が生じ、地盤の弱いところに巨大な「横ずれ断層」が生じました。総延長1000㎞にも及ぶ「中央構造線」がそうです。そしてそのとき生じた巨大な断層に海水が流れ込んで、瀬戸内海が形成されました。また、その延長線上に位置する九州の地下では、地球内部からマントルが上昇してきて、フィリピン海プレートを押したため、九州は南北に引き伸ばされ、中央部が陥没・分断されて、ここも海になりました。現在、「別府−島原地溝帯」と呼ばれているところがそうです。
阿蘇山噴火によって二つに分かれた九州今の九州に
そのままなら、九州は2つの島になっていたはずでした。しかし、その後、もうひとつのできごとが起きます。上昇してきたマントルによって、マグマをつくるエネルギーが増大し、大量のマグマが地上に噴出して多くの火山が形成され、その火山が噴き出す大量の灰や溶岩によって、海となった部分が埋められ、隆起するとともに陸地となっていったのです。
中でも阿蘇山から流れ出た火砕流の一部は海を越えて天草下島や山口県の秋吉台にまで分布しているほどでした。
阿蘇山の噴火による成長の過程
約27万年前、阿蘇火山が活動を開始し、最初の火砕流が発生。その後、約14万年前と約12万年前にも大噴火が発生
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約9万年前の4回目の巨大噴火で大火砕流が発生し、周辺に広大な火砕流台地がつくられた。この噴火で巨大カルデラが形成され、カルデラ内には雨水がたまり、湖を形成。その後、立野火口瀬の形成によって湖が消失。
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数千年前までに現在の姿となった。
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・激しい地殻運動が生んだ熊本県の変化に富んだ地形
・御船町でさまざまな恐竜の化石が発見されるのはなぜか?
・阿蘇で今も語り継がれる「健磐龍命蹴裂伝説」の謎
・南北に分断された九州がひとつになった理由とは?
・4つの川は熊本にとって恵みの存在なのか?
・ちょっと不思議な天草諸島の地形はどうやってできたのか?
・熊本は「火の国」ではなく、実は「水の国」だった!?
…などなど熊本のダイナミックな自然のポイントを解説。
Part.2 熊本を駆け抜ける鉄道網
・熊本の物流を支える鉄道はどうやってつくられたのか?
・熊本電鉄の路線で、“懐かしの車両”に出合えるのはいったいなぜなのか?
・2020年7月豪雨で存亡の危機に! 果たして肥薩線は復活できるのか?
・全線不通から全線開通は可能か? くま川鉄道と南阿蘇鉄道の挑戦は続く
・熊本を走る観光列車のいろいろ。その歴史と魅力を知っておこう!
・九州新幹線の開通で人の流れは変わったのか?
…などなど熊本ならではの鉄道事情を網羅。
Part.3 熊本で動いた歴史の瞬間
・旧石器時代の沈目遺跡の打製石器は誰がつくったのか?
・弥生時代の熊本は鉄器製造の一大産地だった!?
・菊池を450年にわたって支配した大豪族・菊池氏の正体は?
・肥後を支配した守護代「大友氏」の壮絶な家督争いとは?
・加藤清正が「セイショコさん」と呼ばれ、今でも熊本県民に慕われるワケは?
・西南戦争における最大の激戦「田原坂の戦い」とは?
・軍都へと変貌していった熊本県と熊本城の運命は?
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