【青森の城と城下町②】八戸城
中世に南部氏が拠点としていた根城(ねじょう)が廃城となったあと、八戸を直轄地としていた南部利直が八戸城と城下町の基礎をつくりました。八戸藩が成立してからは、藩政の中心地として発展を遂げました。柏崎と呼ばれる台地の端に築かれた八戸城は、本丸(現在の三八城神社境内と三八城公園周辺)と二の丸(八戸市庁周辺)からなり、外周に堀が巡らされていました。藩主一族や上級家臣の屋敷は、二の丸とその周辺に置かれました。その南に、東西方向に細長く町人町が延びています。
町人町は、八日町・三日町など市日にちなんだ名前が多くつけられており、表通りと裏通りの町名の数字を足すと陰陽道で縁起のよい9になるように配置されていました。町人町の南側には下級武士の屋敷、東西の端には足軽町が置かれ、町人町を侍町が囲む。城下町の周囲には、灌漑用の溜池がありました。
【青森の城と城下町③】三戸城
戦国時代、南部氏が居城としていた本三戸城が家臣に放火されたため、新たに築かれたとされる山城。熊原川(くまはらがわ)と馬淵川(まべちがわ)のあいだの河岸段丘上にあり、城下との標高差は最大で90mほどにもなります。盛岡藩祖・南部信直(のぶなお)の時代に本格的な整備が行われ、藩庁や三層櫓などがつくられました。
城の南に武家屋敷が配置され、奥州街道沿いに町人町が形成されました。しかし南部氏は、九戸政実(くのへまさざね)の乱以降は福岡城、その後は盛岡城へと居城を移したため、家臣や町人たちはそれにともなって盛岡へ移住していきました。こうして居城としての役目を終えた三戸城でしたが、以降も城代や代官が置かれ、地方政治を司る支城として管理が続けられました。
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Part.1 地図で読み解く青森の大地
・津軽・下北半島が陸奥湾を抱き 県央を貫く奥羽山脈が地形を二分
・火山がもたらした絶景や石灰岩 下北半島に刻まれた列島誕生史
・二重カルデラの十和田湖が生んだ奥入瀬渓流の渓谷美
・津軽富士と称される美しい岩木山は荒々しい火山地形を残す活火山
・古いカルデラの上に形成された八甲田山は火山地形の宝庫!
・東に段丘・西に砂丘・南に扇状地 岩木川がつくった津軽平野
・かつて潟湖だった小川原湖と広大な上北平野ができるまで
・地すべりでブナの原生林が誕生 太古の森が残る白神山地の成り立ち
・・・など
Part.2 青森を駆け抜ける鉄道網
・日本鉄道の駅として明治期に開業 北への玄関となった栄光の青森駅
・E5系・H5系「はやぶさ」が走り延伸を続ける東北・北海道新幹線
・車内で津軽三味線の生演奏!?「リゾートしらかみ」がゆく五能線
・函館への海底トンネルを掘削!?大湊線・大畑線・大間線の大計画
・日本初のステンレス車も活躍する東北最大の私鉄 弘南鉄道がすごい
・黄金の東北本線は新幹線で激変 新時代を走り出した青い森鉄道
・冬は石炭炊きのストーブ列車!ローカル私鉄・津軽鉄道の魅力
・レトロなレールバスがみちのくの原風景を走った幻の南部縦貫鉄道
・・・など
Part.3 青森で動いた歴史の瞬間
・マンモスを追ってきた人類が定着 中央に属さない独自の文化が発展
・豊かな自然のもとで生まれ1万年にわたり続いた縄文文化
・稲作を基盤とする弥生文化と北海道で発達した擦文文化が交錯
・和人の律令国家に取り込まれず蝦夷の地として交易で発展する
・奥州藤原氏が源頼朝に滅ぼされ武士たちの激しい抗争の時代へ
・十三湊を制して栄えた安東氏と室町期に台頭した南部氏の争い
・北東北最大勢力の南部氏から独立し弘前藩を築いた津軽氏とは?
・藩境争いに暗殺未遂、戊辰戦争…度重なる津軽と南部の紛争
・戊辰戦争後に紆余曲折を経て青森県が成立し近代化していく
・港町から県都となった青森では町人中心の町づくりが進んでいく
・・・など
Part.4 青森で育まれた産業や文化
・霊媒師イタコが霊場・恐山の象徴的存在となった理由
・諸大名が財を投じて求めた南部駒 青森県の馬産の歴史は古代から!?
・築100年のダムが現役!耐久性の高い青森ヒバ
・岩木山麓の原野を切り拓いて旧藩士たちが始めたリンゴ栽培
・大間のマグロに陸奥湾のホタテ! 青森県で水産物が豊かな理由とは?
・船上に車両を載せて海を渡る! 青森〜函館をつないだ青函連絡船
・セメント工場の設立をきっかけに漁村から工業地帯に変貌した八戸
・米軍・自衛隊・民間が利用する三沢飛行場は旧海軍航空基地だった
・・・など
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