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十和田観光電鉄線は一時隆盛を極めるも乗客減により廃止

1930(昭和5)年からはガソリンカーも運転されますが、戦後はガソリンが入手困難になり電化と1067㎜へ改軌が実施され、1951(昭和26)年6月に完成。12月には十和田観光電鉄(初代)に改称されました。

電化にあたり電車が投入されますが、1955(昭和30)年に登場したモハ3400形は豪華電車で「東北一」と称賛されました。沿線に高校が新設されたこともあり地域輸送もさらに活発化し、モータリゼーションの進展著しい昭和40年代でも乗客は増加しました。しかし、1970(昭和45)年をピークに減少に転じてしまいます。少子化、沿線人口の減少も深刻で、乗客減に歯止めがかからなくなります。十和田湖への観光ルートも多岐にわたるバス路線があり、すでに鉄道はメインルートではなく、2010(平成22)年12月の東北新幹線七戸十和田駅の開業でも乗客を奪われました。2008(平成20)年3月、経営悪化による事業再建のため新生の十和田観光電鉄となっていましたが、鉄道事業の経営改善が見込めないことから2012(平成24)年3月で営業運転を終え廃止。1世紀近い歴史に幕を閉じました。

十和田観光電鉄線は名車が多く走ったローカル線だった

廃止後、路線はバスに転換されますが、常ににぎわいを見せていた三沢駅、十和田市駅は解体されてしまいました。線路跡は草むして残る区間こそ多いなか、一部が遊歩道として再利用されているのが朗報です。

晩年は元・東急電鉄のステンレスカー7700系・7200系が運転していましたがすべて廃車となり、7200系2両が静岡県の大井川鐵道に譲渡され余生を送っています。

また、前述のモハ3400系などオリジナル車両は、雪をイメージしたクリーム色、十和田湖の紅葉の赤、湖のブルーが配された美しい色彩の車体で、ステンレス車以外の他社から入線した車両も同様の塗装をまとっていました。路線距離こそ短いローカル線ではありましたが、名車が多く走っていたことから、廃止を惜しむ声が今でも聞かれます。

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Part.1 地図で読み解く青森の大地

・津軽・下北半島が陸奥湾を抱き 県央を貫く奥羽山脈が地形を二分
・火山がもたらした絶景や石灰岩 下北半島に刻まれた列島誕生史
・二重カルデラの十和田湖が生んだ奥入瀬渓流の渓谷美
・津軽富士と称される美しい岩木山は荒々しい火山地形を残す活火山
・古いカルデラの上に形成された八甲田山は火山地形の宝庫!
・東に段丘・西に砂丘・南に扇状地 岩木川がつくった津軽平野
・かつて潟湖だった小川原湖と広大な上北平野ができるまで
・地すべりでブナの原生林が誕生 太古の森が残る白神山地の成り立ち

・・・など

Part.2 青森を駆け抜ける鉄道網

・日本鉄道の駅として明治期に開業 北への玄関となった栄光の青森駅
・E5系・H5系「はやぶさ」が走り延伸を続ける東北・北海道新幹線
・車内で津軽三味線の生演奏!?「リゾートしらかみ」がゆく五能線
・函館への海底トンネルを掘削!?大湊線・大畑線・大間線の大計画
・日本初のステンレス車も活躍する東北最大の私鉄 弘南鉄道がすごい
・黄金の東北本線は新幹線で激変 新時代を走り出した青い森鉄道
・冬は石炭炊きのストーブ列車!ローカル私鉄・津軽鉄道の魅力
・レトロなレールバスがみちのくの原風景を走った幻の南部縦貫鉄道

・・・など

Part.3 青森で動いた歴史の瞬間

・マンモスを追ってきた人類が定着 中央に属さない独自の文化が発展
・豊かな自然のもとで生まれ1万年にわたり続いた縄文文化
・稲作を基盤とする弥生文化と北海道で発達した擦文文化が交錯
・和人の律令国家に取り込まれず蝦夷の地として交易で発展する
・奥州藤原氏が源頼朝に滅ぼされ武士たちの激しい抗争の時代へ
・十三湊を制して栄えた安東氏と室町期に台頭した南部氏の争い
・北東北最大勢力の南部氏から独立し弘前藩を築いた津軽氏とは?
・藩境争いに暗殺未遂、戊辰戦争…度重なる津軽と南部の紛争
・戊辰戦争後に紆余曲折を経て青森県が成立し近代化していく
・港町から県都となった青森では町人中心の町づくりが進んでいく

・・・など

Part.4 青森で育まれた産業や文化

・霊媒師イタコが霊場・恐山の象徴的存在となった理由
・諸大名が財を投じて求めた南部駒 青森県の馬産の歴史は古代から!?
・築100年のダムが現役!耐久性の高い青森ヒバ
・岩木山麓の原野を切り拓いて旧藩士たちが始めたリンゴ栽培
・大間のマグロに陸奥湾のホタテ! 青森県で水産物が豊かな理由とは?
・船上に車両を載せて海を渡る! 青森〜函館をつないだ青函連絡船
・セメント工場の設立をきっかけに漁村から工業地帯に変貌した八戸
・米軍・自衛隊・民間が利用する三沢飛行場は旧海軍航空基地だった

・・・など

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