更新日: 2024年1月15日
十和田観光電鉄線は三沢市と十和田市を結んで観光客輸送に貢献した鉄道
東北本線に接続し、三沢〜十和田市間を結んだ十和田観光電鉄線は、開業時から十和田湖への観光客輸送や地域輸送に貢献。オリジナル電車も走っていました。
十和田観光電鉄線とその歴史
十和田観光電鉄は、青森県南東部を中心にバス事業を運営し、路線バス、高速夜行バスを走らせていますが、かつてはその名のとおり鉄道路線を有し、三沢〜十和田市間14.7㎞を結んでいました。
十和田観光電鉄線の歴史は大正時代にさかのぼります。東北本線の前身・日本鉄道は、剣吉〜野辺地間を陸羽街道(国道4号)とは離れた尻内(現・八戸)駅経由で敷設しました。そのため、鉄道から取り残された陸羽街道沿いの町と東北本線を結ぶ路線が相次いで開業しました。陸羽街道の要所、三本木(現・十和田市)と古間木(現・三沢)を結ぶ十和田鉄道もそのひとつです。これは1914(大正3)年6月に設立された十和田軌道が始まりで、地方鉄道に変更のうえ1922(大正11)年9月に古間木〜三本木間が軌間762㎜の軽便鉄道として開業。蒸気機関車が客車や貨車を引き、1日4往復、49分の所要時間だったといいます。
地域輸送のほか、当時、十和田湖観光は三本木から十和田湖畔の子ノ口に向かうのがメインルートであり、十和田鉄道は十和田湖の観光のために大いに利用されました。
十和田観光電鉄線の路線
十和田観光電鉄線は、東北本線にアクセスする三沢駅を起点に、十和田市駅までの14.7㎞を11駅で結んでいました。モータリゼーションが進展する前は、路線名どおり、十和田湖への観光客を乗せて走りました。また、沿線には、駅名にもなっている三本木農業高校や十和田工業高校、北里大学十和田キャンパスなど学校が数多く、ベビーブーム世代の通学で大いににぎわう時代もありました。年間利用者のピークは1970(昭和45)年度で約165万人。
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