目次
野付半島は絶景ドライブコース!
奥手にある野付半島ネイチャーセンターに向かって道道950号が走っており、車でのアクセスが可能です。道道950号は15㎞ほどの快適な直線路。両側に海を見ながらセンダイハギやエゾカンゾウなど季節の野花の花畑のなかを進んでいくため、フラワーロードの愛称がつけられています。
野付半島は見どころがいっぱい
また、野付半島は250種以上の野鳥が記録されているなど、野生生物の楽園としても有名です。2005(平成17)年にはラムサール条約に登録されています。
現在は、観光地や生物多様性のホットスポットとして大切に守られている野付半島ですが、江戸中期~末期には、国後島や千島方面に船で渡るときの中継地点として栄えた時期もありました。北方警備を行う武士も駐在していたそうです。また、当時は野付半島先端部に「キラク」という港町があり、遊郭もあるなど賑わっていたとする伝承があります。ただそれを立証できるものが見つかっておらず、現時点では「幻の町」といわれています。
優美な打瀬舟が浮かぶ野付湾
野付半島に抱かれるように存在する野付湾は、水深2~5mほどで、干潮時には干潟が現れます。海底はアマモなどの海草が茂り、名物の北海シマエビが獲れます。漁には遠浅の海で藻場を傷めない打瀬舟(スクリューではなく帆で進む)が使われています。
春国岱の砂州は風蓮湖と根室湾の間に位置する
野付半島から南に約35㎞、根室半島のつけ根にある春国岱(しゅんくにたい)もオホーツク海の沿岸流が運んできた砂が堆積してできた地形で、一般に砂州(さす)と呼ばれています。
春国岱は砂嘴よりの砂州
春国岱は総延長約8㎞、最大幅約1.3㎞と細長く、風蓮湖と根室湾を仕切る形をしています。ただし、風蓮湖は完全に海と仕切られているわけではありません。春国岱はバリアアイランドと呼ばれる島で、春国岱両端で風蓮湖は海とつながっています。厳密には、春国岱は砂州というより砂嘴の断片の島といえます。
春国岱の形成には砂の堆積のほかに、地震も関係しています。大地震が起きるたびに地形が隆起し、そこに草木が生い茂って今のような形になっていったのです。
根室湾付近図
鉤状に曲がった砂嘴が野付半島(野付崎)、大きく東へ突き出た半島が根室半島。その中間には、汽水性海跡湖(ラグーン)の風蓮湖があり、南からの春国岱と北から延びる走古丹と呼ばれる砂州がオホーツク海と隔てています。
春国岱で見られる7つの自然環境と野鳥
600ヘクタールほどの狭い領域に広葉樹林、針葉樹林、草原、湿原、湖沼・川、干潟、塩性湿地と7つもの自然環境があり、多種多様な生物が息づく場となっています。
とりわけ野鳥は、風蓮湖と合わせて約310種が記録されており、2005(平成17)年にはラムサール条約登録湿地となりました。
『北海道のトリセツ』好評発売中!
地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から北海道を分析!地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。北海道の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載です!
『北海道のトリセツ』見どころ―目次より抜粋
Part.1 地図で読み解く北海道の大地
地球規模のプレート運動が北海道の大地と山々をつくる!
むかわ町穂別で発見された新種恐竜カムイサウルスとは!?
国内最大の湿地・釧路湿原が3000年以上も陸地化しない謎 ほか
Part.2 北海道を駆け抜ける鉄道網
日本初の軌道交通は茅沼を走り手宮~札幌に道内初の本格鉄道
ゴムタイヤで性能は上々 札幌市営地下鉄3路線の実力
樺太の鉄道と稚泊連絡船 最北の鉄路・宗谷本線 ほか
Part.3 北海道で動いた歴史の瞬間
4000年前の縄文時代に築かれたストーンサークルとは何か?
海を駆け巡る北の民アイヌ 樺太進出を狙い元と戦う!
松前藩が誕生し支配体制が確立! 南下を狙うロシアとのにらみあい
土方歳三の戦死で戊辰戦争終結! 旧幕府軍が描いた蝦夷共和国とは ほか
Part.4 北海道で育まれた産業や文化
150年で200万都市へ成長! 道都・札幌が大発展した理由とは?
北海道らしい大規模農業は開拓時代に黒田清隆が提唱した!
サッポロビールにニッカウヰスキー 北の大地で銘酒が誕生するまで ほか
<コラム>
データで分かる全189市区町村 人口、所得、農業・漁業
初三郎が描いた北海道の鳥瞰図
過酷な気候と労働が生んだ 小林多喜二のプロレタリア文学
『北海道のトリセツ』を購入するならこちら
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!