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良寛は国仙和尚を敬い円通寺へ

尼瀬の曹洞宗光照寺で修行をしていたとき、良寛は円通寺(岡山県)の国仙和尚と出会います。国仙和尚の人格に心を打たれた良寛は、国仙和尚に随行して円通寺へ入り、そこで22歳から34歳まで修行を積みます。修行とは、ひたすらに座禅と作務(さむ)(掃除などの勤労)をし、町に出て托鉢(たくはつ)(乞食(こつじき))をすること。そして、何にもとらわれない悟りの境地に至った良寛は、円通寺を出て諸国行脚へと旅立ちます。

良寛が越後に戻ってからのさまざまな逸話

あるとき、良寛は父・以南が京都の桂川で入水自殺したことを知ります。望郷の念にかられた良寛は、1796(寛政8)年に越後へ戻って空庵を転々としたあと、旧友の紹介で国上寺(燕市)の五合庵に住み着きました。1816(文化13)年、体力の衰えから、山の中腹にある五合庵から山麓の乙子(おとご)神社の空庵へ移り住みます。

五合庵時代から乙子神社時代にかけての良寛については、さまざまな逸話が残ります。

厠に生えたタケノコが自由に伸びるように、火で天井に穴を開けようとして、誤って厠全体を燃やしてしまう。夜、庵に入った泥棒に対して、わざと寝返りをうって布団の外に転がり、布団を盗ませる。托鉢の途中で花摘みに夢中になって鉢をなくしたとき、村人が総出で探したというエピソードからは、良寛が人々に慕われていたことがよくわかります。

良寛は子どもと遊ぶことを好みました。托鉢に行くときは手まりやおはじきを携え、寄ってきた子どもたちといつまでも遊んでいました。良寛は、純真無垢な子どもたちに禅の境地を見出していたのかもしれません。

良寛の晩年

1826(文政9)年、69歳になった良寛は、老衰で一人暮らしが困難になったため、島崎(長岡市)の百姓惣代である木村元右衛門に招かれて木村家邸内の庵に移りました。この頃、貞心尼という尼僧が、仏道を教わりたいと良寛のもとを訪ねてきます。聡明で美しい女性でした。
「これぞこの/仏の道に/遊びつつ/つくや尽きせぬ/御法(みのり)なるらむ」(これがまあ、仏法に遊びながら、ついてもつきない仏の教えを体現する手まりなのでしょうね)
「つきてみよ/一二三四五六七八(ひふみよいむなや)/九十(ここのとお)/十とおさめてまたはじまるを」( ついてごらん。一二三四五六七八九十と十まで数えたら、また一から始まる。この繰り返しに仏の教えが込められている)。

師弟として和歌のやりとりを続けるうちに、良寛と貞心尼のあいだには、ほのかな愛が育まれていきました。1831(天保2)年、良寛は痢病により急速に衰弱。弟・由之と貞心尼に見守られるなか、座したまま静かに息を引き取ったといいます。

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Part.1 地図で読み解く新潟の大地

・新潟の地質・地形概論(「米納津隕石、櫛池隕石」)
・約3000万年前に誕生した佐渡島 火山や地殻変動の痕跡がいっぱい!
・かつて圧倒的な産出量を誇った佐渡島の金銀山が生まれた秘密
・プレートの沈み込みが生む奇跡!糸魚川地域でヒスイが採れるわけ
・ヒスイ峡に3億年前のサンゴ礁!? 石灰岩でできている明星山の秘密
・日本列島を分断する見えない溝 フォッサマグナとはいったい何か?
・最長70㎞で10列をなす新潟砂丘は信濃川と阿賀野川がつくった!?
・約40年前から形成され始めた中津川に広がる河岸段丘の絶景
・約1000万年前の海底火山が生んだ新潟市・間瀬海岸の奇岩や沸石
・上信越高原国立公園・清津峡 圧巻の渓谷と柱状節理ができるまで
・産出量は文句なしの全国1位! 新潟県に油ガス田が多いわけ
・約300万年で2000mも隆起! 八海山が秘める地殻変動のすごさ

Part.2 新潟を駆ける充実の交通網

・東京と新潟をいかにして結ぶか?直江津線として生まれた信越本線

ほか、上越新幹線・北陸新幹線、上越線、飯山線、越後線、北越急行ほくほく線、えちごトキめき鉄道、新潟交通電車線、蒲原鉄道線などを紐解く。

Part.3 新潟の歴史を深読み!

・古代史総論/縄文時代 火焔型土器
・弥生時代 玉作と稲作
・越国が成立しやがて三国に分かれる
・中世史総論 城氏の興亡
・波月条絵図はなぜつくられた?
・上杉氏と長尾氏の複雑な関係(謙信による越後統一まで)
・御館の乱を経て景勝が越佐統一
・近世史総論……越後平野の開発
・鉱山都市相川の発展
・近世の交通
・近現代史総論
・北越戊辰戦争
・戦時下の新潟

Part.4 新潟で育まれた産業や文化

・大河津分水
・燕三条の金物
・西山・東山・新津の三大油田ほか新潟に発展した石油関連事業
・コシヒカリ
・越後杜氏と日本酒/越後縮
・冬の新潟が豪雪地帯となるわけと雪がもたらした観光業

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