トップ > カルチャー >  甲信越 > 新潟県 >

【新潟の近代史】明治時代

明治政府は旧幕府直轄領を直接支配するために越後府を設置。のち新潟府と名称を変更する際に越後府(二次)を再設置し、この越後府(二次)が水原(すいばら)県、新潟県と名称を変え、他の藩領を併合していきます。
残る10藩は1871(明治4)年の廃藩置県でそれぞれ県となり、同年の府県統合で新潟県と柏崎県に振り分けられます。幕府直轄領だった佐渡には佐渡裁判所が設置され、のち相川県となり、柏崎県とともに新潟県へと併合されました。
1886(明治19)年に福島県から東蒲原郡が編入されると、ようやく現在の新潟県が確定します。このとき新潟県の人口は163万人で、東京や大阪を上回って全国1位でした。

【新潟の近代史】明治時代

《1871(明治4)年11月》県が多すぎたため、まず新潟県・柏崎県・相川県の3県に統合
されました。

【新潟の近代史】明治時代

《1876(明治9)年4月》1873(明治6年)に柏崎県が、1876(明治9)年4月に相川県が新潟県に統合されます。

【新潟の近代史】明治時代

《1886(明治19)年5月》元会津藩領で、福島県に属していた東蒲原郡が新潟県に編入され、現在まで続く新潟県域ができあがります。

新潟県は「農工並進」

明治20年代には、下越地方で油田開発が進み、新潟県内には宝田石油や日本石油のような大企業が誕生します。両社はのち合併して新日本石油となりますが、石油産業に牽引されて新潟県内の化学・機械工業が発展し、新潟県は「農工並進」を標榜します。

【新潟の近代史】太平洋戦争と戦後

戦時中に日満航路が開拓されると、新潟は東京と新京(しんきょう)(満州国の首都)を結ぶ中継点となり、日本海側の玄関口となりました。新潟県の重要度が増した結果、長岡市は大戦末期に大規模な空襲を受けてしまいます

戦後の新潟県では工業化を推進し、只見川(ただみがわ)の水流を利した発電事業に取りかかります。隣接県の福島県と開発案をめぐって対立しますが、1960(昭和35)年には奥只見発電所が完成。当初は全国2位の出力を誇り、発電した電力は東京電力と東北電力に送られ、高度経済成長期における日本の電力需要に応えました。新潟県は農業と工業の均衡ある発展を実現していったのです。

【新潟の近代史】現代の問題は人口減

現在の新潟県は、年少人口(0~14歳)の割合が過去最低となり、いっぽうで老年人口(65歳以上)の割合は過去最多を記録しています。全国平均を上回るペースで少子高齢化が進行しており、地方創生の最大のテーマともいえる人口減少問題に直面しています。暮らしと経済の新しいあり方を模索している過程にあるといえるでしょう。

『新潟のトリセツ』好評発売中!

地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から新潟県を分析!

新潟県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。新潟の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く新潟の大地

・新潟の地質・地形概論(「米納津隕石、櫛池隕石」)
・約3000万年前に誕生した佐渡島 火山や地殻変動の痕跡がいっぱい!
・かつて圧倒的な産出量を誇った佐渡島の金銀山が生まれた秘密
・プレートの沈み込みが生む奇跡!糸魚川地域でヒスイが採れるわけ
・ヒスイ峡に3億年前のサンゴ礁!? 石灰岩でできている明星山の秘密
・日本列島を分断する見えない溝 フォッサマグナとはいったい何か?
・最長70㎞で10列をなす新潟砂丘は信濃川と阿賀野川がつくった!?
・約40年前から形成され始めた中津川に広がる河岸段丘の絶景
・約1000万年前の海底火山が生んだ新潟市・間瀬海岸の奇岩や沸石
・上信越高原国立公園・清津峡 圧巻の渓谷と柱状節理ができるまで
・産出量は文句なしの全国1位! 新潟県に油ガス田が多いわけ
・約300万年で2000mも隆起! 八海山が秘める地殻変動のすごさ

Part.2 新潟を駆ける充実の交通網

・東京と新潟をいかにして結ぶか?直江津線として生まれた信越本線

ほか、上越新幹線・北陸新幹線、上越線、飯山線、越後線、北越急行ほくほく線、えちごトキめき鉄道、新潟交通電車線、蒲原鉄道線などを紐解く。

Part.3 新潟の歴史を深読み!

・古代史総論/縄文時代 火焔型土器
・弥生時代 玉作と稲作
・越国が成立しやがて三国に分かれる
・中世史総論 城氏の興亡
・波月条絵図はなぜつくられた?
・上杉氏と長尾氏の複雑な関係(謙信による越後統一まで)
・御館の乱を経て景勝が越佐統一
・近世史総論……越後平野の開発
・鉱山都市相川の発展
・近世の交通
・近現代史総論
・北越戊辰戦争
・戦時下の新潟

Part.4 新潟で育まれた産業や文化

・大河津分水
・燕三条の金物
・西山・東山・新津の三大油田ほか新潟に発展した石油関連事業
・コシヒカリ
・越後杜氏と日本酒/越後縮
・冬の新潟が豪雪地帯となるわけと雪がもたらした観光業

『新潟のトリセツ』を購入するならこちら

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
1 2

記事をシェア

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  甲信越 > 新潟県 >

この記事に関連するタグ