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越後国成立のきっかけとなった大化の改新
ヤマト王権は豪族による連合政権でしたが、聖徳太子の死後、蘇我氏が専横を振るうようになります。645(大化元)年、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)(天智天皇)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)はクーデターを起こして蘇我氏を廃し(乙巳の変)、大王(天皇)を中心とする中央集権的な国家体制を築こうとしていました。この政治改革を大化の改新といいます。こうした「新しい国づくり」の過程において、越国は律令体制に組み入れられていきます。そのいっぽうで、朝廷に服属しない地域は「蝦夷(えみし)」と呼ばれ討伐の対象とされるのでした。
越後国と蝦夷の境界につくられた「柵」
647(大化3)年、蝦夷との境界に渟足柵(ぬたりのき)が築かれました。柵(さく)(柵戸(きのへ))とは対蝦夷の防衛施設であるとともに、地方を統治するための行政施設であったと考えられています。渟足柵は日本最古の城柵ですが『日本書紀』にしか記述がなく、かつては実在性が疑われていましたが、1990(平成2)年に八幡林官衙(はちまんばやしかんが)遺跡(長岡市)から「沼垂城」「養老」と記された木簡が発見され、養老年間(717〜724年)には「渟足」から「沼垂」と名を変えて存続していたと考えられるようになりました。その所在地は判明していませんが、旧沼垂(新潟市中央区から東区)周辺と推測されています。
蝦夷討伐により支配域は北へ伸びる
このように柵は対蝦夷の前線拠点であるため、蝦夷との境界が変化すれば、柵の場所も推移します。648(大化4)年には現在の村上市周辺に磐舟柵(いわふねのき)が設置され、その後も律令国家の北進にあわせて柵の位置も北上していくのでした。
越後国は越国を3分割して出来た
律令国家における国境策定作業は7世紀末に始まり、越国は692(持統天皇3)年までには都(藤原京)に近い順に越前国、越中国、越後国の3国に分割されました。その後、701(大宝元)年に大宝律令が制定されると、国郡里(こくぐんり)制に基づいた令制国としての越後国が定められ、翌702(大宝2)年以降に越中国の4郡は越後国へと併合されます。
越後国の一部は出羽国へ
その後も朝廷は東北地方の蝦夷征服を進め、708(和銅元)年には出羽柵(山形県庄内地方)を設置し、712(和銅5)年に越後国から出羽郡を分立する形で出羽国を成立させるのでした。
越後国には一宮が3カ所?
令制国が制定されると、その国内でもっとも社格が高いとされる神社は一宮と呼ばれていました。一宮は原則的に一国に一社でしたが、越後国では彌彦神社(西蒲原(にしかんばら)郡)、居多(こた)神社(上越市)、天津神社(糸魚川市)の3カ所が一宮とさました。
その時々の権力者によって各社が一宮に列せられたので複数存在するのですが、いずれも令制国が定められた時期にはすでに存在していたようで、その歴史は古いものです。なお、現在は神社に格はなく、すべて平等とされています。
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Part.3 新潟の歴史を深読み!
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・弥生時代 玉作と稲作
・越国が成立しやがて三国に分かれる
・中世史総論 城氏の興亡
・波月条絵図はなぜつくられた?
・上杉氏と長尾氏の複雑な関係(謙信による越後統一まで)
・御館の乱を経て景勝が越佐統一
・近世史総論……越後平野の開発
・鉱山都市相川の発展
・近世の交通
・近現代史総論
・北越戊辰戦争
・戦時下の新潟
Part.4 新潟で育まれた産業や文化
・大河津分水
・燕三条の金物
・西山・東山・新津の三大油田ほか新潟に発展した石油関連事業
・コシヒカリ
・越後杜氏と日本酒/越後縮
・冬の新潟が豪雪地帯となるわけと雪がもたらした観光業
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