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ほくほく線開業までの歴史

ほくほく線は開業こそ新しいですが、始まりは昭和初期にさかのぼります。豪雪地帯で公共交通機関のない松代と六日町を結ぶため、1930(昭和5)年頃に索道が計画されました。これは高額な費用がかかり断念せざるを得ませんでしたが、代わって鉄道が注目され鉄道誘致運動が東頸城(ひがしくびき)地方で盛んになります。しかし、周辺にはさまざまな鉄道敷設の計画と曲折こそあったものの実現しませんでした。のちに有力視されたのが、直江津~六日町間および直江津~越後湯沢間の南北2案で、14年にわたり誘致合戦が行われますが、最後は現行ルートの北越北線として旧国鉄が建設を行うことになりました。

日本鉄道建設公団により、1968(昭和43)年8月に着工しますが、1980(昭和55)年の国鉄再建法により工事は凍結されてしまいます。そこで、第三セクターの北越急行が1985(昭和60)年に設立され、翌86年に工事が再開されます。軌道は高規格で全線が立体交差トンネルも多く14カ所におよび、全体の約7割に相当。長大トンネルが多く、なかでも全長9116.5mの鍋立山(なべたちやま)トンネルは21年の難工事で完成させました。山岳トンネル以外にも、市街地を開削工法で掘削した十日町トンネルもありました。そして1997(平成9)年3月、北越急行ほくほく線は誕生したのです。

ほくほく線開業と同時に運行された特急「はくたか」

同時に運転を開始したのが特急「はくたか」です。これは上越新幹線に接続し、越後湯沢駅と北陸方面をほくほく線経由で連絡する特急列車。線路規格のよさを利用し、一部の列車を除いて線内での最高速度が時速160㎞(開業時は時速140㎞)で運転。最速列車で東京~金沢間を3時間50分台で結びます。在来線における時速160㎞運転は、京成電鉄のスカイライナーとともに日本最速で、高速運転にあたり信号機などを整備。車両には681系が投入されました。のちには683系も加わり、2005(平成17)年3月からは全列車で時速160㎞運転が行われています。事実「はくたか」は利用者に大好評でしたが、北陸新幹線が2015(平成27)年3月に金沢駅まで開業したことにより廃止。愛称名は新幹線に譲られました。

ほくほく線の超快速「スノーラビット」の実力

ほくほく線は、特急街道からローカル線に転じたわけですが、北越急行は黙ってはいません。「はくたか」時代から利用客が多かった直江津駅へ結ぶべく、越後湯沢~直江津・新井間に追加料金不要の超快速「スノーラビット」を走らせたのでした。十日町市などにもアクセスしながら、越後湯沢~直江津間を最速57分で結びます。北陸新幹線は、直江津駅を経由せず上越妙高駅で乗り換えとなるので、東京~直江津間の所要時間は新幹線利用と大差なく料金も安い。車両には自社のHK100形が使用され、同車の性能から最高時速は110㎞に抑えられているなか、ほくほく線内の表定速度は時速99.2㎞と、これは普通・快速列車としては国内最速です。

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Part.1 地図で読み解く新潟の大地

・新潟の地質・地形概論(「米納津隕石、櫛池隕石」)
・約3000万年前に誕生した佐渡島 火山や地殻変動の痕跡がいっぱい!
・かつて圧倒的な産出量を誇った佐渡島の金銀山が生まれた秘密
・プレートの沈み込みが生む奇跡!糸魚川地域でヒスイが採れるわけ
・ヒスイ峡に3億年前のサンゴ礁!? 石灰岩でできている明星山の秘密
・日本列島を分断する見えない溝 フォッサマグナとはいったい何か?
・最長70㎞で10列をなす新潟砂丘は信濃川と阿賀野川がつくった!?
・約40年前から形成され始めた中津川に広がる河岸段丘の絶景
・約1000万年前の海底火山が生んだ新潟市・間瀬海岸の奇岩や沸石
・上信越高原国立公園・清津峡 圧巻の渓谷と柱状節理ができるまで
・産出量は文句なしの全国1位! 新潟県に油ガス田が多いわけ
・約300万年で2000mも隆起! 八海山が秘める地殻変動のすごさ

Part.2 新潟を駆ける充実の交通網

・東京と新潟をいかにして結ぶか?直江津線として生まれた信越本線

ほか、上越新幹線・北陸新幹線、上越線、飯山線、越後線、北越急行ほくほく線、えちごトキめき鉄道、新潟交通電車線、蒲原鉄道線などを紐解く。

Part.3 新潟の歴史を深読み!

・古代史総論/縄文時代 火焔型土器
・弥生時代 玉作と稲作
・越国が成立しやがて三国に分かれる
・中世史総論 城氏の興亡
・波月条絵図はなぜつくられた?
・上杉氏と長尾氏の複雑な関係(謙信による越後統一まで)
・御館の乱を経て景勝が越佐統一
・近世史総論……越後平野の開発
・鉱山都市相川の発展
・近世の交通
・近現代史総論
・北越戊辰戦争
・戦時下の新潟

Part.4 新潟で育まれた産業や文化

・大河津分水
・燕三条の金物
・西山・東山・新津の三大油田ほか新潟に発展した石油関連事業
・コシヒカリ
・越後杜氏と日本酒/越後縮
・冬の新潟が豪雪地帯となるわけと雪がもたらした観光業

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