飯山線の豪雪は記録に残るほど!
豪雪地帯を走る飯山線の積雪量は多く、とりわけ十日町駅の前後は冬、雪の壁で覆われます。県境の森宮野原(もりみやのはら)駅(長野県栄村)では、1945(昭和20)年2月に7m85㎝の積雪を記録。構内には「日本最高積雪地点」の標柱が立ちますが、沿線では1日に1~2m、ひと冬に5mを超える積雪はごく当たり前。1981(昭和56)年の五六(ごろく)豪雪では、膨大な積雪量で沿線に雪崩の危険性が生じ、火薬による人工雪崩を約1200カ所で起こして回避させたほどでした。
飯山線の豪雪は技術の発展により被害も減少
蒸気機関車の時代は、キマロキ編成と呼ばれる機関車、マックレー車、ロータリー車、機関車を連ねた特殊な排雪列車が運転されました。排雪列車は通常、ラッセル車により雪を掻くことで進路を確保しますが、排雪の際に左右に生じる雪の壁が高くなると、さらなる除雪が困難になります。そこで、マックレー車で雪の壁を切り崩し中央に掻き寄せ、中央に集まった雪をロータリー車で遠方に投雪。線路上の雪を取り除きます。1963(昭和38)年、三八(さんぱち)豪雪の際は、キマロキ編成だけでは排雪が追いつかず、さらにロータリー車を先頭にしたロキキマロキ編成も登場しました。
現在は小型のロータリー式除雪車が導入され、積雪に応じて頻繁に除雪が行われています。そのため、積雪量が多いにもかかわらず、冬期の運休は少なくなりました。冬期は一面の銀世界となりますが、雪解けを迎えた春、緑と青空の夏、紅葉が萌える秋の里山の風景が美しいです。「兎追ひしかの山……」の詞で歌われる唱歌『故郷』を作詞した高野辰之(たかのたつゆき)は飯山線沿線の出身で、歌詞は郷愁たっぷりの飯山線の風景を想起させます。
飯山線の豪雪を体験するなら「雪のおいこっと」
そんな飯山線を堪能できる列車が走っています。長野~十日町間で運行される、観光用快速列車「おいこっと」です。
田園風景、山、河川など、日本人が思い描く「ふる里(田舎)」のイメージをテーマにした列車で、東京と正反対という意味を込めて、「TOKYO」の英語表記を逆向きに「OYKOT」としました。古民家風の車両は専用カラーで、唱歌『故郷』に登場する兎などが描かれています。車内はゆったりとした座席配置で、飯山線の美しい車窓風景をじっくりと眺められます。土・休日を中心に多客期に運転されますが、冬期にも「冬のおいこっと」として長野~戸狩野沢温泉間、「雪のおいこっと」として長野~十日町間に運転されることもあり大変好評です。
JR東日本 飯山観光列車「おいこっと」
- 住所
- 長野県長野市JR長野駅~JR飯山線十日町駅
- 交通
- JR長野駅~JR飯山線十日町駅
- 料金
- 乗車券(片道)=1740円(長野駅~十日町駅、通常期、全席指定)/指定席券(片道)=520円/(乗車日の1か月前(10:00)からJRみどりの窓口ほかで販売)
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・新潟の地質・地形概論(「米納津隕石、櫛池隕石」)
・約3000万年前に誕生した佐渡島 火山や地殻変動の痕跡がいっぱい!
・かつて圧倒的な産出量を誇った佐渡島の金銀山が生まれた秘密
・プレートの沈み込みが生む奇跡!糸魚川地域でヒスイが採れるわけ
・ヒスイ峡に3億年前のサンゴ礁!? 石灰岩でできている明星山の秘密
・日本列島を分断する見えない溝 フォッサマグナとはいったい何か?
・最長70㎞で10列をなす新潟砂丘は信濃川と阿賀野川がつくった!?
・約40年前から形成され始めた中津川に広がる河岸段丘の絶景
・約1000万年前の海底火山が生んだ新潟市・間瀬海岸の奇岩や沸石
・上信越高原国立公園・清津峡 圧巻の渓谷と柱状節理ができるまで
・産出量は文句なしの全国1位! 新潟県に油ガス田が多いわけ
・約300万年で2000mも隆起! 八海山が秘める地殻変動のすごさ
Part.2 新潟を駆ける充実の交通網
・東京と新潟をいかにして結ぶか?直江津線として生まれた信越本線
ほか、上越新幹線・北陸新幹線、上越線、飯山線、越後線、北越急行ほくほく線、えちごトキめき鉄道、新潟交通電車線、蒲原鉄道線などを紐解く。
Part.3 新潟の歴史を深読み!
・古代史総論/縄文時代 火焔型土器
・弥生時代 玉作と稲作
・越国が成立しやがて三国に分かれる
・中世史総論 城氏の興亡
・波月条絵図はなぜつくられた?
・上杉氏と長尾氏の複雑な関係(謙信による越後統一まで)
・御館の乱を経て景勝が越佐統一
・近世史総論……越後平野の開発
・鉱山都市相川の発展
・近世の交通
・近現代史総論
・北越戊辰戦争
・戦時下の新潟
Part.4 新潟で育まれた産業や文化
・大河津分水
・燕三条の金物
・西山・東山・新津の三大油田ほか新潟に発展した石油関連事業
・コシヒカリ
・越後杜氏と日本酒/越後縮
・冬の新潟が豪雪地帯となるわけと雪がもたらした観光業
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