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間瀬海岸でとれる豊富な鉱物

間瀬は沸石(ふっせき)、魚眼石(ぎょがんせき)、方解石(ほうかいせき)といった鉱物の産地としても知られています。海岸近くの崖にある玄武岩(げんぶがん)質の岩石中には、小さな白や透明の鉱物が見られます。これが沸石です。沸石は間瀬でもっとも多く産出する鉱物で、玄武岩の隙間に生成することが多いです。透明で含水量が多く、熱すると脱水し泡を出して沸騰するように見えるので、沸石と呼ばれています。間瀬地域ではとくに、いろいろな沸石が採れることで知られ、方沸石(ほうふっせき)、輝沸石、ソーダ沸石、トムソン沸石、灰十字(かいじゅうじ)沸石などが有名です。魚眼石も沸石と同じように玄武岩の隙間を埋めている鉱物です。形は板状、柱状のものなどさまざまで、色は透明から半透明。ガラス光沢や真珠光沢を放って魚の眼のような輝きをもつので、魚眼石と呼ばれています。方解石は沸石とともに見つかることが多く、色は無色透明か白色。形はとがったもの、箱を対角線に沿って押しつぶしたようなものがあり、塊状のものも多くあります。

間瀬海岸の奇岩「枕状溶岩」は海底火山が生んだ

海水浴場の南側には積み重なった団子がつぶれたような奇岩が見られます。この岩はその形状から枕状溶岩(まくらじょうようがん)と呼ばれる、火山活動によって海底で噴出した溶岩が冷え固まった玄武岩です。海底では高い水圧がかかるため、海底から噴出した溶岩は、地上の溶岩のように流れ出ることはなく、球形や米俵のような形になって次々と積み重なっていきます。これらの溶岩は、間を埋めるように重なっていくため、堆積の上下関係を知ることができます。

間瀬海岸の枕状溶岩ができる仕組み

枕状熔岩は、一般に球形や楕円形の岩が重なっているものが多いのですが、間瀬海岸のものは、岩の塊が大きく、最大3mに達するものがあります。形も球状、へん平、ねじれたものなどさまざまです。これら間瀬海岸の枕状溶岩は、約1000万年前、間瀬一帯が海底にあった頃、海底火山の噴火によって、玄武岩質溶岩が水中に噴出し、冷え固まってできたものです。さらに、その後の地殻変動によって海底の溶岩が隆起して海の上に姿を現し、長い年月をかけて波や雨に侵食されて現在のような姿になりました。「沖弁天」とも呼ばれる弁天岩も枕状溶岩でできており、ほかにも間瀬集落北側の海蝕崖(かいしょくがい)(波によって侵食された崖)、北部の立岩など、間瀬海岸の各所で枕状溶岩は露出しています。

間瀬海岸の鉱物はまさに自然の産物

また、少し北の崖下には、玄武岩の中にキラキラと輝いて見える層があります。これはハイアロクラスタイトといって、枕状溶岩の石基(ガラス質)部分が急冷して細かい小片を飛ばし、溶岩とともに堆積したものです。間瀬海岸で見つかる沸石、魚眼石といった鉱物は、海底で枕状溶岩やハイアロクラスタイトなどができた直後に、地下の熱水が上昇してきて、まだ熱かった玄武岩と反応してできたものと考えられています。

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Part.1 地図で読み解く新潟の大地

・新潟の地質・地形概論(「米納津隕石、櫛池隕石」)
・約3000万年前に誕生した佐渡島 火山や地殻変動の痕跡がいっぱい!
・かつて圧倒的な産出量を誇った佐渡島の金銀山が生まれた秘密
・プレートの沈み込みが生む奇跡!糸魚川地域でヒスイが採れるわけ
・ヒスイ峡に3億年前のサンゴ礁!? 石灰岩でできている明星山の秘密
・日本列島を分断する見えない溝 フォッサマグナとはいったい何か?
・最長70㎞で10列をなす新潟砂丘は信濃川と阿賀野川がつくった!?
・約40年前から形成され始めた中津川に広がる河岸段丘の絶景
・約1000万年前の海底火山が生んだ新潟市・間瀬海岸の奇岩や沸石
・上信越高原国立公園・清津峡 圧巻の渓谷と柱状節理ができるまで
・産出量は文句なしの全国1位! 新潟県に油ガス田が多いわけ
・約300万年で2000mも隆起! 八海山が秘める地殻変動のすごさ

Part.2 新潟を駆ける充実の交通網

・東京と新潟をいかにして結ぶか?直江津線として生まれた信越本線

ほか、上越新幹線・北陸新幹線、上越線、飯山線、越後線、北越急行ほくほく線、えちごトキめき鉄道、新潟交通電車線、蒲原鉄道線などを紐解く。

Part.3 新潟の歴史を深読み!

・古代史総論/縄文時代 火焔型土器
・弥生時代 玉作と稲作
・越国が成立しやがて三国に分かれる
・中世史総論 城氏の興亡
・波月条絵図はなぜつくられた?
・上杉氏と長尾氏の複雑な関係(謙信による越後統一まで)
・御館の乱を経て景勝が越佐統一
・近世史総論……越後平野の開発
・鉱山都市相川の発展
・近世の交通
・近現代史総論
・北越戊辰戦争
・戦時下の新潟

Part.4 新潟で育まれた産業や文化

・大河津分水
・燕三条の金物
・西山・東山・新津の三大油田ほか新潟に発展した石油関連事業
・コシヒカリ
・越後杜氏と日本酒/越後縮
・冬の新潟が豪雪地帯となるわけと雪がもたらした観光業

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