新潟の主な地形
信濃川
埼玉県・山梨県・長野県の県境に位置する甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)を源流とし、長野県を流れる千曲川(ちくまがわ)が、新潟県で信濃川と名前を変えて、新潟市で日本海に注ぎ込みます。全長約367㎞のうち、信濃川と呼ばれるのは約153㎞。写真は信濃川の河口付近。
新潟焼山
新潟県西部の糸魚川市と妙高市に位置する新潟焼山は標高2400mの活火山です。標高2000m前後の山地を基盤とする、比高約400mのドーム状をした成層火山で、約3000年前から火山活動が始まりました。2016(平成28)年、ごく小規模な水蒸気噴火が起こっています。新潟焼山と周辺の飯綱山(いいづなやま)、黒姫山(くろひめやま)、妙高山、斑尾山(まだらおやま)を総称して妙高火山群と呼びます。
津南石落とし
中津川の中流( 中魚沼郡津南町秋成付近)に広がる柱状節理からなる岩屏風。崖の高さは約330mあり、柱状節理となっているのは苗場山(なえばさん)から流れ出た溶岩で、その下に日本海堆積物の魚沼層群が堆積しています。雪解けの時期に柱状節理が音を立てて落ちることから「石落とし」の名がついています。
新潟の地層と断層の歴史
新発田-小出構造線の東側は、古生代・中生代の古い岩石からなり、朝日山地や飯豊(いいで)山地、越後山脈といった1000m級の山々が連なります。新発田-小出構造線と糸魚川-静岡構造線に挟まれた地域は、新潟県のほとんどを占めており、フォッサマグナに堆積した比較的新しい地層からなります。
信濃川や阿賀野川(あがのがわ)が流れ、その下流には沖積平野である越後平野、柏崎平野、高田平野が広がり、河口付近にはかつて多くの潟(せき)がありました。また、フォッサマグナ内には、妙高山・新潟焼山という活火山列が南北に連なっています。いっぽう、糸魚川-静岡構造線の西側は、日本列島が大陸の一部だった頃の古生代・中生代の古い地層です。ここは飛騨山地の北部で、新潟県内最高峰の小蓮華山(これんげさん)(標高2766m)もこの地域にあります。
新潟に落下したふたつの隕石
新潟は、米納津隕石(よのうづいんせき)と櫛池隕石(くしいけいんせき)のふたつの隕石が落下したことで知られています。米納津隕石は、1837(天保8)年7月13日、蒲原(かんばら)郡富永村(現・燕市富永)の水田に落下。重さは31.65㎏あり、日本国内に落下した隕石で3番目の重さです。いっぽう、櫛池隕石は、1920(大正9)年9月16日、櫛池村上中條(現・上越市清里区上中條)の水田に落下。長さ18㎝、高さ9.8㎝、重さ4.42㎏。いずれも、球粒組織(コンドリュール)が見られる石質隕石です。
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Part.1 地図で読み解く新潟の大地
・新潟の地質・地形概論(「米納津隕石、櫛池隕石」)
・約3000万年前に誕生した佐渡島 火山や地殻変動の痕跡がいっぱい!
・かつて圧倒的な産出量を誇った佐渡島の金銀山が生まれた秘密
・プレートの沈み込みが生む奇跡!糸魚川地域でヒスイが採れるわけ
・ヒスイ峡に3億年前のサンゴ礁!? 石灰岩でできている明星山の秘密
・日本列島を分断する見えない溝 フォッサマグナとはいったい何か?
・最長70㎞で10列をなす新潟砂丘は信濃川と阿賀野川がつくった!?
・約40年前から形成され始めた中津川に広がる河岸段丘の絶景
・約1000万年前の海底火山が生んだ新潟市・間瀬海岸の奇岩や沸石
・上信越高原国立公園・清津峡 圧巻の渓谷と柱状節理ができるまで
・産出量は文句なしの全国1位! 新潟県に油ガス田が多いわけ
・約300万年で2000mも隆起! 八海山が秘める地殻変動のすごさ
Part.2 新潟を駆ける充実の交通網
・東京と新潟をいかにして結ぶか?直江津線として生まれた信越本線
ほか、上越新幹線・北陸新幹線、上越線、飯山線、越後線、北越急行ほくほく線、えちごトキめき鉄道、新潟交通電車線、蒲原鉄道線などを紐解く。
Part.3 新潟の歴史を深読み!
・古代史総論/縄文時代 火焔型土器
・弥生時代 玉作と稲作
・越国が成立しやがて三国に分かれる
・中世史総論 城氏の興亡
・波月条絵図はなぜつくられた?
・上杉氏と長尾氏の複雑な関係(謙信による越後統一まで)
・御館の乱を経て景勝が越佐統一
・近世史総論……越後平野の開発
・鉱山都市相川の発展
・近世の交通
・近現代史総論
・北越戊辰戦争
・戦時下の新潟
Part.4 新潟で育まれた産業や文化
・大河津分水
・燕三条の金物
・西山・東山・新津の三大油田ほか新潟に発展した石油関連事業
・コシヒカリ
・越後杜氏と日本酒/越後縮
・冬の新潟が豪雪地帯となるわけと雪がもたらした観光業
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