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【山形空港の歴史】空港名の改称とジェット機運用に対する対策

1964(昭和39)年7月1日には全日空による定期便の運航が始まり、フォッカー社製ターボプロップ双発(そうはつ)旅客機である座席数40席のフレンドシップ27型機が1日1往復、1時間40分の飛行時間で山形と東京を結びました。料金は大人片道5800円で、上野駅までの鉄道運賃920円と比べるとかなり高額でした。翌年には山形空港と改称されました。

1969(昭和44)年には東京便が1日2往復に、その3年後には座席数64席の国産ターボプロップ双発旅客機であるYS-11型機が就航するなど、増大する航空需要や機材の大型化に対処するために長期的な空港整備計画が策定されました。とくにジェット機運用に対応するため、1976(昭和51)年、滑走路を横断するように路面に細い溝を切削するグルービング工事が国内で初めて実施されました。制動距離の短縮や雨天時のハイドロプレ-ニング現象による事故防止が目的で、当時、滑走路長がジェット機の発着に必要な最低ラインの1500mしかなかったためとられた対策です。

【山形空港の歴史】日本各地に就航し滑走路延長の検討も

ジェット機である座席数126席のボーイング737型機が就航後、1979(昭和54)年には大阪や札幌にも路線が開設されます。次第に名古屋・大阪(関空)・福岡・函館などにも就航し、ピーク時の1991(平成3)年には年間搭乗者数が約74万人に到達しました。翌92年の山形新幹線の開業や2008(平成20)年のリーマンショックの影響で搭乗者数は一気に減少しますが、フジドリームエアラインズが名古屋への運航を開始した2014(平成26)年から再び増加に転じ、4年後には30万人台を回復し今日に至っています。

サクランボ畑の広がる東根市に立地する山形空港。大型機が就航できるようにするため、滑走路を現在の2000mから2500mに延長することが検討されています。

庄内空港の開港で山形県は2つの空港をもつ

高速交通網の空白地帯であった庄内地方では、1970(昭和45)年頃から空港建設の機運が高まります。美田や防風防砂林を守ろうとする反対派と対立しますが、設計変更や説得の甲斐もあって、1991(平成3)年10月に庄内空港が晴れて開港。東京と大阪へ1日1往復が就航しました。過去には成田・関西・新千歳などにも運航されていましたが、2021(令和3)年4月現在、全日空によって羽田便が1日4往復設定されています。

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Part.1 地図で読み解く山形の大地

・出羽富士・鳥海山の成り立ちと火山がもたらす湧水や地形
・山形盆地の成り立ちと扇状地に発展した県都・山形市
・大江町の最上川川床で発見!ヤマガタダイカイギュウって何だ!?
・河川がつくった肥沃な庄内平野を35㎞におよぶ庄内砂丘が守る
・最上川・五百川峡谷の誕生と流域に形成された河岸段丘
・どうやって誕生し段丘が発達?山形唯一の有人離島「飛島」の謎
・冬の名物・美しい樹氷はどうして蔵王山に形成されるのか?

…などなど山形のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 山形を駆け抜ける鉄道網

・急勾配と豪雪を克服し新庄へ至る全国初のミニ新幹線・山形新幹線
・急峻な板谷峠で奥羽山脈越え!逞しき幹線・奥羽本線の今昔
・九州~北海道の貨物車両が走り日本海縦貫線をなす羽越本線
・日本初の交流電化路線にして今や貨物の重要路線の仙山線
・最上川の絶景峡谷を走る!新庄と余目を結ぶ陸羽西線
・三山・高畠・尾花沢の3路線 山形交通の鉄道路線網とは?

…などなど、山形ならではの交通事情を網羅。

Part.3 山形で動いた歴史の瞬間

・木の実でつくったクッキーも!? 山形県域の縄文時代
・和人が蝦夷の領域へと進出! 城柵から見る開拓の歴史
・鎌倉御家人が地頭として進出! 次第に激化する権力争い
・伊達氏との対立を経て統治者に君臨した最上氏の栄枯盛衰
・街道と航路が整備され 発展する沿道の産業と商業
・領主交代に領民が抵抗! 天保の国替え反対一揆とは?
・異名は鬼県令!? 初代県令三島通庸が推進した土木工事

…などなど、激動の山形の歴史に興味を惹きつける。

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