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蔵王の樹氷が「アイスモンスター」と呼ばれるわけ

蔵王の樹氷は、雪を取り込みながら成長していくのが特長です。冬、北西からの季節風とともに流れ込んできた雪雲が蔵王連峰にもかかります。標高の高い場所は雲にすっぽりと包まれるため、雲を構成する過冷却な水滴がアオモリトドマツへ次々と凍りついていきます。これがさらに、雪の結晶を取り込んで成長し、雪が小やみになると、今度は付着した雪や氷がくっつき合い簡単に脱落しないようになります(焼結(しょうけつ))。そして、雪雲が流れ込んでくると、再び雪や氷が付着します。蔵王の樹氷は、これを何度も繰り返して成長し、巨大な白い氷の塊になります。2月中旬〜3月上旬が最盛期で、その姿が雪原を闊歩する怪獣のように見えることから「アイスモンスター」の愛称をもちます

蔵王の樹氷ができるしくみ


雪雲が流れ込むと、雲の中に含まれる過冷却な水滴が、次々とアオモリトドマツに凍りつき、雪を取り込みながら成長していきます(①)。雪雲が去ると今度は付着した雪や氷がくっついて固まります(②)。冬期、これを何度も繰り返しながら、時間をかけて巨大な氷の塊となります。

蔵王の樹氷の今後

ところが、2013(平成25)年、トウヒツヅリヒメハマキという小さなガによる大規模な食害が発生しました。これは終息したものの、弱ったところに今度はトドマツノキクイムシが入り込み、その食害が事態を悪化させています。痩せ細ったアイスモンスターに、今後を心配する声が次々と上がっています。

蔵王火山の活動史

奥羽山脈に属する蔵王火山は、山形・宮城の県境に位置する火山群です。活動期は6つ(活動期Ⅰ〜Ⅵ)に大別されます。約100万年前に水中火山の活動期Ⅰに始まり、約50万年前の活動期Ⅱでは北部で安山岩質の火山体、約35〜25万年前の活動期Ⅲでは古熊野岳火山体や中丸山火山体、約25〜20万年前の活動期Ⅳでは刈田岳火山体、約13〜4万年前の活動期Ⅴでは熊野岳・地蔵山火山体を形成。さらに、約3万年前からの最新活動期(活動期Ⅵ)では、「熊野岳ー馬の背ー刈田岳ー大黒天」を外輪山とする直径約2㎞の「馬の背カルデラ」が形成されると同時に爆発的な噴火活動が始まりました。
なお、五色岳(ごしきだけ)はカルデラ内で生じた後カルデラ火砕丘で、約2000年前から活動を続け、爆裂火口の底には火口湖である御釜(おかま)(五色沼)をもちます。

ところで蔵王火山は、地震や火山性微動こそあれ、1894(明治27)年を最後に、約130年間噴火を起こしていません

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Part.1 地図で読み解く山形の大地

・出羽富士・鳥海山の成り立ちと火山がもたらす湧水や地形
・山形盆地の成り立ちと扇状地に発展した県都・山形市
・大江町の最上川川床で発見!ヤマガタダイカイギュウって何だ!?
・河川がつくった肥沃な庄内平野を35㎞におよぶ庄内砂丘が守る
・最上川・五百川峡谷の誕生と流域に形成された河岸段丘
・どうやって誕生し段丘が発達?山形唯一の有人離島「飛島」の謎
・冬の名物・美しい樹氷はどうして蔵王山に形成されるのか?

…などなど山形のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 山形を駆け抜ける鉄道網

・急勾配と豪雪を克服し新庄へ至る全国初のミニ新幹線・山形新幹線
・急峻な板谷峠で奥羽山脈越え!逞しき幹線・奥羽本線の今昔
・九州~北海道の貨物車両が走り日本海縦貫線をなす羽越本線
・日本初の交流電化路線にして今や貨物の重要路線の仙山線
・最上川の絶景峡谷を走る!新庄と余目を結ぶ陸羽西線
・三山・高畠・尾花沢の3路線 山形交通の鉄道路線網とは?

…などなど、山形ならではの交通事情を網羅。

Part.3 山形で動いた歴史の瞬間

・木の実でつくったクッキーも!? 山形県域の縄文時代
・和人が蝦夷の領域へと進出! 城柵から見る開拓の歴史
・鎌倉御家人が地頭として進出! 次第に激化する権力争い
・伊達氏との対立を経て統治者に君臨した最上氏の栄枯盛衰
・街道と航路が整備され 発展する沿道の産業と商業
・領主交代に領民が抵抗! 天保の国替え反対一揆とは?
・異名は鬼県令!? 初代県令三島通庸が推進した土木工事

…などなど、激動の山形の歴史に興味を惹きつける。

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