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【島根県の歴史】浜田県・鳥取県が併合され大島根県へ
石見には旧浜田藩や隠岐県、幕府直轄地の大森銀山などを合わせ大森県が設置されますが、こちらも1年で石見と隠岐を合わせた浜田県となりました。しかし隠岐は島根県の管轄を経て、因幡(いなば)と伯耆(ほうき)からなる鳥取県の管轄となります。
政府はさらに府県の統廃合を進め、1876年4月、浜田県は島根県に吸収合併されます。それだけではなく8月には鳥取県が廃止され島根県と合併し、因幡、伯耆、出雲、石見、隠岐の5国がひとつになります。いわゆる「大島根県」の誕生です。
【島根県の歴史】因幡の氏族の反発で鳥取県が再置し現在の島根県が誕生
これに反発したのが因幡の人々、とくに士族です。鳥取県再置運動が行なわれ、1881年7月の参議・山県有朋(やまがたありとも)の視察により政府の論調は再置に傾き、9月には隠岐を除いて鳥取県が再置されました。こうして現在の島根県と鳥取県が誕生しました。
現在でも文化圏が被る地域がある島根県と鳥取県
しかし出雲との所縁の深い鳥取県西部では、そのあとも島根県との合併や米子市に県庁を置く運動が続き、石見でも広島県への編入希望の声があがります。これらはすべて却下されますが、現在でも鳥取県西部は同県東部より島根県東部との交流が多く、島根県西部も同県東部より広島県や山口県との交流が深い。島根県の交通網を見ればわかるように、島根県は東西に長いにもかかわらず高速道路整備が遅いのも、交流が少ない原因でしょう。
心地よい響きの出雲言葉
出雲地方は雲伯(出雲と西伯耆)方言という独特の方言を使用します。この出雲言葉は松本清張の小説『砂の器』にも登場することで有名です。北前船で東北から伝播したという説もありますが、発音以外は他の中国地方の方言との共通点が多く無関係だと思われています。出雲言葉の発音の例としては、シとスが同じ発音でスィとなり、寿司は「スィスィ」、島根は「スィマネ」となります。単語としてはダンダン(ありがとう)、テゴ(手伝い)、マクレル(転げる)、イナゲナ(奇妙な、おかしな)などがありますが、中国地方にある他県でも似たような言葉が使用されています。石見地方は広島県や山口県と発音などが近く、他地域の人間からは両者の区別がつきづらいものです。最近の若者はほとんど出雲言葉を使用していません。
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Part.1 地図で読み解く島根の大地
・「弁当忘れても傘忘れるな」な島根の天気
・山陰地方と呼ばれるのは島根県と鳥取だけ?
・水質の良い一級河川「高津川」と大井谷の棚田
・隠岐諸島の「レッドクリフ」をはじめとする島々
・三県境と全国5番目に広い湖「中海」と7番目の「宍道湖」
・全盛期は東アジア最大、世界で2位の産銀量「石見銀山」は港まで続いていた?
・東京ドームほどの海浜公園「石見畳ヶ浦」
ほか
Part.2 島根を駆ける充実の交通網
・「銀の道」さらに「うなぎ街道」「鯖街道」とは?
・朝廷への情報伝達に使われた「官道」とは?
・土木学会が指定した土木遺産「福浦トンネル」
・一畑電鉄と一畑駅、大社線と大社駅
・Mランドドライビングスクールとは?
・JR木次線の「三段式スイッチバック」とは?
・島根の旧三江線トロッコ、初めて県境越え広島へ
・奥出雲おろちループ
・古代山陰道
・「ベタ踏み坂」江島大橋
・未成線広浜鉄道
・神にまつわる名前のついた10の駅
・最後の寝台列車サンライズ出雲
ほか
Part.3 島根の歴史を深読み!
・『日本書紀』『古事記』から神々を知ろう
・古墳も多い島根県
・『出雲国風土記』の世界「黄泉の穴」
・出雲大社を筆頭とする様々な「神社」
・「出雲」「石見」「隠岐」から「島根に」
・山陰のモンサンミッシェル?こと宮ケ島 衣毘須神社
・出雲の方言 東北の訛りとの共通点
・なぜ津和野町に「森鴎外記念館」が?「小京都」と呼ばれるわけ
・歴史的大打撃「廃仏毀釈」で失われたモノ
・島流しといえば「隠岐」?
・江戸時代の島根県、松江藩による出雲平野の開拓
ほか
Part.4 島根で育まれた産業や文化
・「相撲」発祥の地と言われる出雲
・名湯の多い島根県
・継承される多くの神楽と安来節
・歌舞伎の原型になったとされる「阿国歌舞伎」
・「玉鋼」と「たたら製鉄」と黒曜石
・日本で唯一「黄長石霞石玄武岩」を産出
・小泉八雲の作品と小泉邸
ほか
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