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知夫里島と赤壁

知夫里島の西海岸には、約1㎞にわたって高さ50m~200mの断崖「知夫赤壁(ちぶせきへき)」が続きます。「赤壁」という呼び名は、荒々しく削られた岩肌が、遠方からは赤褐色の巨大な壁に見えることに由来しています。

知夫里島の「赤壁」はなぜ赤いのか?

赤壁を形成しているのは、マグマが冷えて固まった火成岩で、赤色の岩石は火山の噴火後のまだ高温のときに酸化して変色したものです。また、鉄分を含む凝灰岩が風化によって赤や茶色などに変色し、赤壁に混ざっているため、見る場所や時間によって色が異なって見えるようになっているのです。
とりわけ西日が当たる夕方の時間帯は紺碧(こんぺき)の海に赤壁が映え、観光客に好評です。知夫赤壁は、マグマの噴出の跡を確認できる貴重な自然造形として国の名勝と天然記念物に指定され、国立公園の特別保護区となっています。

知夫里島のもう一つの壁

知夫里島の島津島遊歩道の奥には、あまり知られていませんが、もうひとつの壁「白壁」があります。ゴツゴツとした白い岩肌がむきだしになった岩石の壁は、中東や西アジアの乾燥地帯を連想させます。島を構成する地質の柔らかく白い部分が波による浸食によってあらわになったと考えられています。

西ノ島・中ノ島の観光スポット

西ノ島の国賀海岸(くにがかいがん)は、約13㎞にわたって続く断崖絶壁で、隠岐を代表するダイナミックな景勝地です。なかでも高さ257mの「摩天崖(まてんがい)」の迫力は圧巻。海岸には、天然の洞門である「通天橋(つうてんきょう)」や、奇岩が並ぶ「天上界(てんじょうかい)」などの名所があり、観光スポットになっている。

中ノ島の菱浦港の北東部では、大・中・小の奇岩からなる「三郎岩(さぶろういわ)」を見ることができる。大きい順に、太郎、次郎、三郎と呼ばれ、地元民に親しまれているといいます。

知夫里島の無人島

知夫里島の東側に位置する島津島は、知夫村に属する無人島で、面積0.3㎢の小島です。小さな無人島に渡るのなら小船を使うしか方法はないと考えがちですが、島津島へは歩行者専用の橋「お松橋(まつはし)」を使って渡ることができます。島津島の海岸沿いには遊歩道が整備されているので、本来なら南や北の地域に別々に生息しているはずの植物が同じ場所に生育している様子を近くで観察することができます。

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地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から島根県を分析!

島根県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。島根の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く島根の大地

・「弁当忘れても傘忘れるな」な島根の天気
・山陰地方と呼ばれるのは島根県と鳥取だけ?
・水質の良い一級河川「高津川」と大井谷の棚田
・隠岐諸島の「レッドクリフ」をはじめとする島々
・三県境と全国5番目に広い湖「中海」と7番目の「宍道湖」
・全盛期は東アジア最大、世界で2位の産銀量「石見銀山」は港まで続いていた?
・東京ドームほどの海浜公園「石見畳ヶ浦」

ほか

Part.2 島根を駆ける充実の交通網

・「銀の道」さらに「うなぎ街道」「鯖街道」とは?
・朝廷への情報伝達に使われた「官道」とは?
・土木学会が指定した土木遺産「福浦トンネル」
・一畑電鉄と一畑駅、大社線と大社駅
・Mランドドライビングスクールとは?
・JR木次線の「三段式スイッチバック」とは?
・島根の旧三江線トロッコ、初めて県境越え広島へ
・奥出雲おろちループ
・古代山陰道
・「ベタ踏み坂」江島大橋
・未成線広浜鉄道
・神にまつわる名前のついた10の駅
・最後の寝台列車サンライズ出雲

ほか

Part.3 島根の歴史を深読み!

・『日本書紀』『古事記』から神々を知ろう
・古墳も多い島根県
・『出雲国風土記』の世界「黄泉の穴」
・出雲大社を筆頭とする様々な「神社」
・「出雲」「石見」「隠岐」から「島根に」
・山陰のモンサンミッシェル?こと宮ケ島 衣毘須神社
・出雲の方言 東北の訛りとの共通点
・なぜ津和野町に「森鴎外記念館」が?「小京都」と呼ばれるわけ
・歴史的大打撃「廃仏毀釈」で失われたモノ
・島流しといえば「隠岐」?
・江戸時代の島根県、松江藩による出雲平野の開拓

ほか

Part.4 島根で育まれた産業や文化

・「相撲」発祥の地と言われる出雲
・名湯の多い島根県
・継承される多くの神楽と安来節
・歌舞伎の原型になったとされる「阿国歌舞伎」
・「玉鋼」と「たたら製鉄」と黒曜石
・日本で唯一「黄長石霞石玄武岩」を産出
・小泉八雲の作品と小泉邸

ほか

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