更新日: 2024年1月17日
「高津川」は水質日本一!「江の川」は中国地方最大!個性が光る島根の一級河川
何度も「水質日本一」に選ばれている高津川と、中国山地を貫流する唯一の河川である江の川。個性的な2本の一級河川の秘密に地形面から迫ります。
高津川は国のお墨付き
国土交通省は1958年から全国の一級河川109水系の水質調査を実施しており、毎年7月に「水質が最も良好な河川」16河川を発表しています。選定された河川は、国から「水質日本一」のお墨付きをもらったことになります。
高津川は過去に2006年度、2007年度と2年連続、2010年度から2013年度まで4年連続で水質日本一の河川に選ばれており、2019年の選定は通算7回目となります。
この川の中上流域で獲れる良質の天然アユは地域の名産品となっており、アユ漁が解禁される漁期(3月1日~8月31日)になると流域は多くの釣り客でにぎわいます。高津川は水産資源のみならず、流域の重要な観光資源にもなっているのです。
高津川が「水質日本一」に選ばれ続ける理由
高津川が何度も水質日本一に選ばれてきた理由のひとつは、流域の豊かな森にあります。シイやカシ、タブノキなどの照葉樹と、ブナやコナラ、クヌギなどの広葉樹からなる森林が高い保水力を発揮し、水が枯れたり汚れたりしないよう川を保護しているため、高津川の良好な水質は長年にわたって保たれているのです。
ふたつ目の理由は、島根県や益田市、津和野町、高津川漁業協同組合、農協、流域住民らが地域全体で高津川の水質と豊かな生態系を守る努力を続けてきたからです。
益田市は高津川を「圏域の宝」と称え、「私たちの誇りである高津川を未来の人々に伝えていこう」とアピール。漁協や農協、地域住民は、毎月第3日曜を「河川一斉清掃日」と定めて共同で清掃活動を行なったり、堰堤(えんてい)(ダムより小規模な堤防)や魚道を整備したりしています。
住民の環境保全に対する意識は高く、生活排水や代掻(しろか)き水はろ過してから高津川に流すように心がけているといいます。また、上流域に住む子どもたちが河原でゴミの調査を行なうなど、環境教育も活発です。
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