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ロタコの遺構

ロタコの遺構は、約800haの範囲に点在しています。秘密飛行場であることから、飛行機を敵の爆撃や爆風などから守り、隠しておく「掩体壕(えんたいごう)」と呼ばれる格納施設も建設されました。

掩体壕は全国各地で造られましたが、その平面形態や構造はさまざまであったといわれています。

ロタコの遺構

掩体壕の復元想像図。

ロタコの遺構

ロタコの建設工事に動員された人々

ロタコの建設工事には、軍人だけでなく旧制中学の学生や地域の小学生も動員されていたといいます。

現在のような重機がない時代だったため、作業はすべて人の手で行われ、残されていた出勤簿などの記録から、毎日約3000人が建設に関わっていたことが明らかになっています。

土木工事は1945(昭和20)年の3月から本格化し、8月15日の終戦まで地域住民を総動員して行われました。

ロタコの建設工事の苦労と現在も残る資料

ロタコ工事で難航を極めたのは、物資の保管場所などを地下に設置するための横穴壕の掘り出し作業で、横穴壕が掘られた山の斜面が非常に崩れやすい地盤だったので、落盤を防ぐために支柱を立てながら徐々に掘り進めなければなりませんでした。作業員は近隣の地域や近くのお寺に寝泊まりをしながら工事を進めたといいます。

現在も、地域にはロタコを伝えるさまざまな資料が残っており、山梨県庁にはロタコに関する図面などが保管されています。

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Part.1 地図で読み解く山梨の大地

・山の都として栄えた甲府盆地はどのようにできたのか?
・富士五湖は富士山の溶岩でせき止められた2つの湖だった!?
・日本一の造形美をつくり出す昇仙峡は何でできている?
・3000年に“2度”の大噴火が生み出した青木ヶ原の樹海
・もうひとつの富士「黒富士」にある燕岩の正体
・富士山文化遺産の構成資産、山梨にある2つの「胎内めぐり」
・「池」だけど「八海」!神秘の風景・忍野八海
・日照時間日本一の秘密は地形にあり!?
・富士川の洪水を防いだ「信玄堤」と「万力林」

…などなど山梨のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 山梨を駆け抜ける鉄道網

・甲州市から山梨市にかけて、中央本線が北に大きく迂回するわけ
・高額運賃の私鉄が国有化の悲願を果たし、現在に至る身延線
・昭和モダンの香りを漂わせ、今も現役の山梨の駅舎たち
・ここは東京?ちょっと意外な丹波山村の公共交通事情
・甲府盆地を走り、「ボロ電」と呼ばれた山梨交通電車線
・実は2つの路線から成り立っている富士急行線
・約2年間だけ標高日本一の駅があった、小海線の山梨県内区間
・6つのスイッチバック駅に助けられ、甲斐路を辿った中央本線
・リニアモーターカーの実験線が山梨にできたわけ
・古くからの富士山吉田口登山道を継承する山梨県道701号

…などなど山梨ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 山梨で動いた歴史の瞬間

・古代 いにしえの八ヶ岳周辺は“星降る里”だった!?
・古代 甲斐銚子塚古墳が東日本最大級なワケ
・平安~中世 武田氏の先祖にあたる戦国エリート「甲斐源氏」
・中世(鎌倉) 日蓮聖人の波乱に満ちた生涯と身延山
・戦国時代 山梨の神!武田氏3代が鎮座した武田神社
・戦国時代 信玄が進み勝頼が広げた武田氏の最大領地は?
・江戸時代 徳川家康に対抗するために築城された甲府城
・江戸時代 幕府直轄地で発展した甲州街道と富士川舟運
・近現代 幕末の財界を牛耳った甲州商人が売ったもの
・近現代 明治40年の甲府の大水害からの復興
・近現代 空港のない山梨県にあった秘密の飛行場“ロタコ”

…などなど、激動の山梨の歴史に興味を惹きつける。

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