更新日: 2024年1月16日
「ロタコ」ってなに?空港のない山梨県にあった秘密の飛行場
南アルプス市にはかつて、「ロタコ」という暗号名で呼ばれた旧日本陸軍の秘密飛行場がありました。
周辺住民ら約3000人を動員して建設されたこの飛行場の秘密に迫ってみましょう。
ロタコとは
南アルプス市は甲府盆地の西部に位置し、地形は釜無川に注ぐ御勅使(みだい)川の氾濫によって形成された扇状地「御勅使川扇状地」が大部分を占めています。面積約4000ha、東西約7.5㎞、南北約10㎞におよぶこのエリアは、その規模と美しい扇形から、日本でも有数の扇状地として知られています。
建物などの障害物が少なく、広大な原野が残されていて、どこまでも平坦な地形だったこの地に、今からおよそ70年前の太平洋戦争末期、旧日本陸軍によって飛行場が造られました。
飛行場の名称は「御勅使河原飛行場」でしたが、「第2立川航空廠(こうくうしょう)」を示すともいわれる暗号名「ロタコ」と呼ばれてきました。「ロ」は「第2」を表すイロハの「ロ」、「タ」は「立川」、「コ」は「航空廠」(陸軍の航空関係施設)を表すといわれています。
この飛行場は、東京の立川にあった航空廠を疎開させて、大型の飛行機を敵から隠すために計画されたとされます。終戦直前にはほぼ完成していたそうですが、実際に使われることはありませんでした。
戦後、その大部分は取り壊され農地に戻されましたが、滑走路の一部は現在でも残されています。
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