甲府城の発展と衰退
甲府城は江戸時代の初め、将軍家一門が城主でしたが、1704（宝永元）年に時の城主・徳川綱豊が第5代将軍・徳川綱吉の養嗣子となり江戸城西の丸へ移ると、武田氏の家臣を先祖にもつ側用人の柳沢吉保が城主となりました。この後、甲府城は大名の城として整備され、1709年（宝永6）年には、吉保の子・吉里が跡をつぎ、2代で領主を務めた20年間で甲府は大きく発展しました。
しかし、1724年（享保9）年、吉里が大和郡山城主として転封された後は、甲斐国は幕府の直轄地となり、甲府城も甲府勤番の支配下におかれました。その後、1727（享保12）年の大火により、城の本丸御殿や銅門を焼失するなど、次第にその壮麗な姿は失われていきます。
甲府城の廃城と現在
1873（明治6）年の廃城令により甲府城も廃城となり、城内の主要な建物は内城を残してほとんどが取り壊されました。
1876（明治9）年に内城全体が勧業試験場として利用され始め、その翌年には鍛冶曲輪（くるわ）に葡萄酒醸造所が設置されるなど、城郭としての機能を失っていきました。
その後、1926（大正15）年に現在の山梨県庁が旧楽屋曲輪内に設けられ、中央線敷設に伴い屋形曲輪、清水曲輪が解体されていくと、さらに城郭は縮小しました。
平成に入ると、1990（平成2）年より舞鶴城公園整備事業が開始。発掘調査や整備により、鍛冶曲輪門、稲荷曲輪門などの門や稲荷櫓が復元され、現在の姿になっています。2019（平成31）年にはその価値が認められ国指定史跡となりました。
天守閣跡。城が建てられた当時の姿がそのまま残っています。
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Part.3 山梨で動いた歴史の瞬間
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・戦国時代 信玄が進み勝頼が広げた武田氏の最大領地は？
・江戸時代 徳川家康に対抗するために築城された甲府城
・江戸時代 幕府直轄地で発展した甲州街道と富士川舟運
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