目次
【秋田の近世の歴史②】減転封され出羽国が領地となった佐竹氏
その直後の1602(慶長7)年、常陸(ひたち)国(茨城県)の佐竹氏が出羽国へと移封されることになります。佐竹氏は関ヶ原の戦いでは中立の立場を貫きましたが、積極的に加担しなかったことに対する懲罰的な意味合いがあったようで、常陸54万石から20万石(2代義隆(よしたか)の代に確定)に大幅に減じられたうえでの転封でした。
出羽に入封した佐竹氏は、初めは秋田氏の旧拠点である湊城(秋田市)に居を構えましたが、1603(慶長8)年に神明山に久保田城を築きました。以降、久保田城を拠点として明治維新まで、佐竹氏が久保田藩の藩主を務めることになります。
江戸幕府の中で例外的だった久保田藩
久保田藩領は出羽半国でしたが、その面積はかなり広くなっていました。幕府は一国につき一城と定めていました(一国一城令)が、広大な藩領を支配するために、久保田藩では例外的に大館城(おおだてじょう)(大館市)と横手城(横手市)のふたつの支城が認められました。
なお、久保田藩が「秋田藩」と名を改めるのは明治に入ってからのことです。
秋田県域に存在した久保田藩以外の藩
秋田県域には久保田藩以外にも由利郡の諸藩(本荘、亀田、仁賀保(にかほ))や旗本領、さらに秋田県北には盛岡藩領がありました。江戸時代約260年のあいだには、途中で改易や新藩の立藩などがあり、明治維新を迎えた時点では秋田県域に政庁を置く藩は5藩(久保田、岩崎、本荘、亀田、矢島)となっていました。
【秋田の近世の歴史③】江戸時代の秋田県域の財政を支えた鉱物資源や木材
江戸時代の秋田県域では鉱山開発が進められ、阿仁銅山(あにどうざん)(北秋田市)や院内銀山(いんないぎんざん)(湯沢市)は国内最大規模の産出量を誇りました。また、秋田杉なども特産品となり、久保田藩の主要な財源となっていきました。
江戸時代の秋田県域の財政難
しかしながら、江戸時代を通して藩財政は慢性的に苦しい状況が続きました。というのも、常陸54万石時代の家臣を抱えたまま秋田20万石に国替えとなったために、藩領に占める家臣の知行地が圧倒的に多かったからです。
鉱山採掘量の減少、たび重なる飢饉などによって藩財政は逼迫し、何度も藩政改革を繰り返しました。その改革のひとつに藩札の発行がありましたが、この経済政策は大失敗に終わり、藩内は激しいインフレに襲われます。ときの藩主・佐竹義明(よしはる)は藩札推進派を粛清するなどの大騒動となりました(秋田騒動)。
財政難は解消することなく、困窮のまま幕末を迎えることになります。
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・美しき田園・象潟の九十九島は鳥海山の山体崩壊でできた
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Part.2 秋田を駆ける充実の交通網
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・小坂鉱山の鉱石輸送のため開業 旅客輸送も担った幻の小坂鉄道/昭和40年代に消えたローカル私鉄 羽後交通の雄勝線・横荘線とは?
Part.3 秋田の歴史を深読み!
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・大型住居跡やストーン・サークルなど秋田県の縄文遺跡がおもしろい!
・出羽柵が遷置・整備されて秋田城と呼ばれるようになった
・奥羽を支配した出羽の豪族・清原氏が後三年の役により滅亡
・秋田の中世史総論
・八郎潟東岸を拠点とする大河兼任が鎌倉幕府に対して反乱を起こす
・秋田の近世史総論
・佐竹氏の入部以降、鉱山開発が進み鉱業が秋田藩の財政を支えた
・古来より栄えていた舟運に加え街道が整備され交易が盛んに!
・近現代史総論/奥羽越列藩同盟を離脱し新政府側へ 秋田藩の戊辰戦争と戦後のゆくえ
・日本最後の空襲となった土崎空襲 どうして土崎港が狙われたのか?
Part.4 秋田で育まれた産業や文化
・全国屈指の産油量だった秋田県がシェールオイルの開発・商業生産へ
・秋田港、船川港、能代港 三つの重要港湾が海上輸送網の拠点
・国内有数の米どころ・秋田県は農業産出額の5割以上を米が占める
・かつては国内2位の広さを誇る湖!? 八郎潟の干拓と大潟村の歴史
・古来より建材や工芸品に用いられた秋田杉の活用と保存の取り組み
・日本のロケット発祥の地は秋田県の道川海岸だった!
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