白神山地の地層
白神岳の地層を見てみると、白神岳周辺など一部に約9000万年前の中生代白亜紀の花崗岩が分布しているいっぽう、多くは新生代第三紀中新世(約2303万〜258万年前)の海底に土砂などが積み重なってできた堆積岩や、地下のマグマが固まってできた花崗岩、地表に噴出された流紋岩(りゅうもんがん)、緑色凝灰岩(ぎょうかいがん)(グリーンタフ)などです。
白神山地形成の歴史と日本列島
白神山地の地形形成の歴史は、日本列島誕生のときまでさかのぼります。約2400万〜2000万年前、まだ日本列島が存在せず、大陸の東縁にあった頃、日本列島の土台となる地域と大陸との間が陥没し、湖沼や河川ができました。
その陥没地形は約1900万年前から数百万年かけて拡大し、やがて海との境がなくなり、約1500万年前に日本海が誕生しました。
白神山地と海底火山活動
大陸から分離した東北日本の元となる部分はその後、沈降しながら浅い海を形成し、そこに土砂などが堆積していきました。
約1500万〜1100万年前にかけて、活発な海底火山活動が起こりました。東北地方の日本海側から奥羽山脈にかけて厚く堆積している地層は、この時代の火山噴出物です。
約300万年前になると、東北日本では太平洋プレートの沈み込みにより、激しい隆起が始まりました。これにより、白神山地や奥羽(おうう)山脈など、内陸の山地がより高くなりました。
白神山地の海成段丘
また、白神山地の西~北側の外縁には、海岸に沿って何段かの海成段丘が見られます。海成段丘とは、海岸沿いに発達している階段状の地形のことで、浅い海の下にあった平坦な海底が隆起によって海面上に姿を現したものです。
海成段丘が発達している山本郡八峰町(はっぽうちょう)では最大6段もの段丘を見ることができます。これは激しい隆起運動が何度もあったことを示します。
江戸時代中期の1704(宝永元)年と1793(寛政5)年に西津軽付近で起きた大地震では、最大2.5m隆起したことが記録されています。
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