トップ > カルチャー >  北陸 > 富山県 >

藤子・F・不二雄は富山県高岡市出身

藤子・F・不二雄こと藤本弘(ふじもとひろし)は、高岡市に生まれました。一人で絵ばかり描いているおとなしい少年だった藤本弘は、「子どものころ、僕は“のび太”でした。」と表しています。小学校5年生の時に転校してきた安孫子素雄(あびこもとお)(のちの藤子不二雄Ⓐ)の絵を見て衝撃を受けました。互いに漫画好きだった2人は意気投合し、一緒に漫画を描くようになりました。

富山で藤子・F・不二雄のアニメキャラクターを観るなら高岡へ

高校卒業後は地元の製菓工場に就職しますが、作業中に右手を負傷したことをきっかけに退職。そこからは毎日家で漫画を描き続け、上京するまでの高岡時代を過ごしました。その後の活躍はよく知られています。1987年にコンビを解消し、“藤子・F・不二雄”として『ドラえもん』『パーマン』『キテレツ大百科』など多くの作品を世に送り出し、なかでも『ドラえもん』は、日本のみならず世界中で愛される代表作となりました。高岡市に創設された「高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」では、作品の原画や愛用品を展示。藤本の原点に触れることができるスポットです。

藤子不二雄Ⓐは富山県氷見市出身

氷見市で生まれた藤子不二雄Ⓐこと安孫子素雄もまた、おとなしく一人で絵を描くのが好きな少年でした。戦時中に氷見から高岡へ転校。ノートに絵を描いていたところへ藤本に声をかけられて以降、朝は一緒に登校、帰りがけには互いの家を行ったり来たりして、絵や漫画をともに描くようになりました。高校を卒業し、伯父が重役を務めていた富山新聞社へ入社。何の不満もなく働く一方で、漫画家を目指して上京する夢を諦めかけていました。しかし、ある日藤本に「新聞社を辞めろ」と、上京の決断を迫られることに。母に相談すると「好きなようにしられ」と言われたため、ようやく上京を決意。

富山で藤子不二雄Ⓐのアニメキャラクターを観るなら氷見市へ

その後は『怪物くん』『忍者ハットリくん』『笑ゥせぇるすまん』など多くの名作を手がけてきました。2008年、安孫子の功績を称え出身地・氷見の名誉市民に選定され、氷見市内には『怪物くん』をはじめ、自身が富山湾の魚たちを擬人化したキャラクター達のモニュメントも多く並び、「氷見市潮風ギャラリー」には原画や複製原画も展示されています。氷見・高岡間を結ぶ路線には「忍者ハットリくん列車」が運行し、まち中には「怪物くんバス」も走り、ファンを楽しませています。2021年には漫画家としてデビュー70周年を迎えました。(※2022年4月死去)

忍者ハットリくん列車

住所
富山県高岡市JR氷見線高岡駅~氷見市JR氷見線氷見駅~南砺市JR城端線城端駅
交通
あいの風とやま鉄道高岡駅からすぐ
料金
高岡駅~氷見駅(片道)=320円/高岡駅~城端駅(片道)=580円/

富山のアニメ文化の代表といわれる「P.A.WORKS」は南砺市の制作会社

南砺市に本社を置くP.A.WORKSの存在も、アニメの聖地としての富山県のイメージを強めています。2000年に設立され、数々のアニメ作品を生み出してきた制作会社です。設立当初はほかの制作会社の下請けがメインでしたが、2008年には初の元請け作品となる『true tears』を制作。以降、実在の地域を舞台(または舞台のモデル)に作品を展開してきました。なかでも、『true tears』『クロムクロ』『サクラクエスト』『Another』は富山県の風景が登場するため、各作品のファンが聖地巡礼にやってきます。

「高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」では、『ドラえもん』などの貴重な原画を展示。
まんがロードに新たに誕生した「喪黒福造のスマイルベンチ」。
半分以上の自治体がアニメ作品の舞台となっている。南砺市の3作品はすべてP.A.WORKSの作品。

富山県出身のアニメ映画監督 細田守氏

さらに、アニメ映画『サマーウォーズ』や『時をかける少女』で知られる細田守監督は、上市町の出身。『おおかみこどもの雨と雪』の作中で親子3人が暮らす田舎町は、監督の故郷である上市町がモデルです。親子が生活する家のモデルとなった古民家は実在するもので、「花の家」として公開され、内部を見学できます。さらに、成長した雨がおおかみの姿となって疾走するシーンは立山が舞台。みくりが池や称名滝など、立山でおなじみのスポットが登場します。

富山の風景が登場するアニメ作品

ほかにも、『そらのおとしもの』『ゆるゆり』など、富山県の風景が登場するアニメ作品はいくつもあります。該当地域に住む人々は見慣れているでしょうが、アニメを通して見る風景は、またちがって見えるかもしれません。

『富山のトリセツ』好評発売中!

富山県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。富山の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報満載!

Part.1 地図で読み解く富山の大地

・立山連峰との高低差4000m!「きときと」ぞろいの富山湾
・黒部ダムが大電源を生み出すまで
・崩壊を続ける立山カルデラ
・極東の氷河の南限は立山! 国内初の氷河認定とライチョウ
・神秘の光景! 魚津の蜃気楼と雨晴海岸の気嵐
・2000年前に形成された魚津埋没林
・富山の水がおいしいヒミツ
・立山の地下には「何か」がある! 活断層はあるのに地震が少ない理由
・富山湾のホタルイカはなぜ有名?

…など

Part.2 富山を駆ける充実の交通網

・北陸新幹線開業による光と影
・河川敷にある富山きときと空港
・SDGs未来都市に選定 ライトレールが象徴するまちづくり
・伏木港は神戸港に憧れた男の夢
・立山の観光ルートは1つじゃない? 一般開放が待ち遠しい黒部ルート
・マッターホルンの麓町から着想 低速電気バスEMUと宇奈月温泉
・鉄オタ集結地! 富山県は公共交通の宝庫
・V字峡谷を走るトロッコ電車

…など

Part.3 富山の歴史を深読み!

・江戸時代は鮎だった! 駅販売で広がったます寿し
・富山県成立までの複雑な歴史/越中の英雄・佐々成政の人物像
・焼け野原と化した富山大空襲/富山の遺跡&古墳は個性派ぞろい
・放生津に存在した亡命政権
・越中の伊能忠敬 射水出身の測量家・石黒信由
・越中の黄金郷 加賀藩極秘の「越中の七かね山」
・北陸近代医療の父・黒川良安
・世界遺産は加賀藩の軍事工場 五箇山でおこなわれた塩硝づくり

…など

Part.4 富山で育まれた文化や産業

・「越中おわら節」はなぜ有名?
・財政難を立て直した富山の売薬
・布教のためのテキストだった 曼荼羅から読み解く立山信仰
・秀吉も称えた伝説の刀工・郷義弘
・売薬商人は危ない橋を渡っていた? 薬の密貿易が生んだ昆布文化
・有名な創業者も多く輩出 富山県民は倹約家で働き者
・ジャポニズムの立役者・林忠正
・アニメの聖地が多い富山県
・瑞泉寺再建から始まった井波彫刻

…など

『富山のトリセツ』を購入するならこちら

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
1 2

記事をシェア

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  北陸 > 富山県 >

この記事に関連するタグ