更新日: 2024年1月21日
石黒信由は射水出身の測量家で越中の伊能忠敬ともいわれた
石黒信由は、作成した地図の精度は伊能忠敬にも劣らないとまでいわれた人物。もともと測量家でないにも関わらず、数学の才能と探求心によって測量技術を磨きあげていきました。
石黒信良は測量家ではなく和算家を目指していた
歴史上の偉人で測量家といえば、多くの人が伊能忠敬を思い浮かべるでしょう。しかし、富山出身の石黒信由(いしくろのぶよし)もまた優秀な測量家として称賛されている人物です。
石黒信由は、宝暦10(1760)年、射水郡高木村(現在の射水市高木)に生まれました。もともと測量家を志していたわけではなく、平安時代の同郷の算博士(さんはかせ)であった三善為康(みよしためやす)に憧れて和算家を目指していました。23歳のとき、富山藩士の和算家に入門して学び、14年後に免状を授かった後、西洋数学や天文暦学にも分野を広げていきました。
石黒信良の代表著書「算額香佑鉤致」
石黒信由の代表著書は、『算学鉤致(さんがくこうち)』。100年以上誰にも解けなかった和算の難問に全解答を付したもので、日本数学史に残る名著です。この時点で類稀なる才能の持ち主なのですが、石黒信由はそこで満足せず、和算を「学問のための学問」でなく、国や社会の役に立つ「実用のための学問」へと応用していきました。和算の後は暦学や測量術などを学び、検地と呼ばれる土地の測量や新田開発に取り組みながら、測量技術を確立していくこととなります。
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