IGRいわて銀河鉄道には、東北本線時代に名を馳せた鉄道名所があります。奥中山（おくなかやま）（十三本木峠（じゅうさんぼんぎとうげ））です。

現・奥中山高原駅付近の中山トンネルをサミット（頂点）とし東京方に23.8パーミル（１㎞で23.8mの高低差）、青森方に23.9パーミルを標準とした急勾配が連続する難路で、1000トンの貨物列車には荷が重く補助機関車が連結されました。

1968（昭和43） 年10月の複線電化までは、D51形蒸気機関車が重連、または三重連で運転し、一戸（いちのへ）駅には一戸機関区、沼宮内（ぬまくない）（現・いわて沼宮内） 駅に機関支区があり補助機関車が配置されました。

旅客列車ではC60形、Ｃ61形などの大型蒸気機関車も補助機関車の任務に就き、日本の大動脈をひた走る貨物、旅客列車の勇姿は全国のファンを魅了。

電化後は、蒸気機関車からED75形電気機関車となりましたが難路に変わりはなく、盛岡〜八戸間は重連で運転されました。今ではED75形に代わり、２車体連結で高出力のEH500形が牽引します。

地域輸送では、IGR7000系電車が全線と青い森鉄道の目時〜八戸間、およびJR東北本線の盛岡〜北上間で運転され地域に親しまれています。

また、好摩（こうま）駅が起点の花輪線の列車もIGRいわて銀河鉄道に乗り入れ、盛岡駅まで運転されてにぎやかです。

IGR7000系は、JR東日本の701系を譲受または新製した車両であり、開業時から長く親しまれています。

2021（令和３）年３月からは、沿線の滝沢市の観光や物産とIGRいわて銀河鉄道をPRするラッピング車両も運行を開始。これはIGR7000系1編成を全面ラッピングしたもので、滝沢市のキャラクター「ちゃぐぽん」とIGRイメージキャラクター「ぎんがくん」「きらりちゃん」などのイラストが描かれています。

さらに、車体の東側と八戸方面の前面には滝沢市の伝統行事「チャグチャグ馬コ」や名産品の「滝沢スイカ」など、西側・盛岡方面には銀河をイメージしたイラストが描かれ、車両もにぎやかでじつに楽しいものになっています。

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