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岩手県の歴史に欠かせない明治の偉人
盛岡藩の藩校「作人館(さくじんかん)」 からは、明治の日本を支える人材が輩出されました。同校の出身者には、内務大臣を経て総理大臣に就任した原敬(はらたかし)や、国際連盟で事務次長を務めた新渡戸稲造(にとべいなぞう)、北海道帝国大学の初代総長となる農学者・佐藤昌介(さとうしょうすけ)などがいます。
なお、作人館は現在の盛岡市立仁王(におう)小学校の前身であり、1876(明治9)年には明治天皇が参観しての「天覧(てんらん)授業」が行われました。
岩手県の歴史を支えた製鉄事業
明治時代前期の岩手県では、軍部の要求に応じて製鉄事業に取り組み、早くから洋式高炉が導入されました。長時間連続で操業できる高炉の導入によって鉄の生産性は飛躍的に向上しますが、国内では高炉製鉄に使用できる鉄鉱石の産出量が少なく、高まる鉄需要に対応しきれませんでした。そのため、久慈砂鉄を原料とする伝統的なたたら製鉄も、高炉に用いられる西洋技術を取り入れて、改良を加えながら存続しました。
日清戦争(1894~1895年)の頃には県下では旧式製鉄法(たたら製法)より近代製鉄での生産量が上回るようになります。釜石や久慈での製鉄業、さらに松尾鉱山での硫黄鉱床は岩手の近代化を、ひいては日本の近代化を下支えしてきたのです。
岩手県の歴史に刻まれる数々の津波災害
大きな津波災害は、近代以降もたびたび発生しました。1896(明治29)年の明治三陸地震、1933(昭和8)年の昭和三陸地震、1960(昭和35)年のチリ地震津波と規模の大きな津波が発生し、県内各所に被害をもたらしました。
明治三陸地震は三陸沖を震源として起こった巨大地震で、地震の規模を示すマグニチュードは8.2。地震発生から約30分後に北海道から東北の太平洋沿岸に大津波が到達し、沿岸地域に大被害を出しました。岩手県内での津波による死者は1万8158人にものぼり、これは2011(平成23)年の東日本大震災のときの3倍以上に相当します。
岩手県の歴史は災害からの復興とともに歩みを進める
また、太平洋戦争中には太平洋から連合軍の艦砲射撃を受け、市街が一面焼け野原になったこともあります。
このように岩手県は、つねに災害や戦災からの復興に取り組み続けてきました。現在も東日本大震災からの復興の途上にありますが、これまでの歴史が示すとおり、着実に復興の歩みを進めていくことでしょう。
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Part.1 地図で読み解く岩手の大地
・盛岡のまちを見守る名峰 岩手山はどうやってできた?
・宮沢賢治が名付けた理想の地? イーハトーヴの風景地とは
・三陸海岸のうち南部だけが リアス海岸になっている理由
・三陸沖で多発する地震と 津波発生のメカニズムを探る
・平泉の黄金文化を支えた 玉山金山はどこがすごい?
・カルスト台地に刻まれた猊鼻渓と 幽玄洞は古生代の化石の宝庫!
・ティラノサウルス類化石も発見! 国内最大の琥珀産地・久慈
などなど岩手のダイナミックな自然のポイントを解説。
Part.2 岩手を駆け抜ける鉄道網
・軌道から車両まで対策は万全! 積雪地帯を快走する東北新幹線
・一ノ関以北で客車が走り続けた 大幹線・東北本線の歴史と実力
・急勾配を克服する物流の幹線 IGRいわて銀河鉄道がすごい!
・『銀河鉄道の夜』の原風景を走る岩手軽便鉄道に始まった釜石線
・三陸縦貫鉄道を引き継ぎ誕生! 沿岸部を走る三陸鉄道リアス線
・龍ヶ森の急勾配を越えろ! 奥羽山脈を横断する花輪線
などなど岩手ならではの交通事情を網羅。
Part.3 岩手で動いた歴史の瞬間
・人々が定住し集落が生まれ 南北それぞれの文化が発達
・胆沢平野を中心に米作が進み 強大な権力も生まれる
・蝦夷のリーダー・アテルイと ヤマト王権の熾烈な争い
・安部氏から奥州藤原氏 やがて群雄割拠の戦乱へ
・前九年・後三年の役が終結し 花開いた黄金の平泉文化
・大崎氏と斯波氏の時代を経て 南部氏と伊達氏が台頭
・戊辰戦争での敗北から 紆余曲折ののち岩手県が成立
などなど、激動の岩手の歴史に興味を惹きつける。
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