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【岩手の江戸時代の歴史】仙台藩の内分分知による一関藩の立藩

1660(万治3)年、伊達政宗の末子・伊達宗勝(むねかつ)を藩主に仙台藩の内分分知(ないぶんぶんち)で一関藩(一関市)3万石が立藩します。一関藩は一時断絶しますが、政宗の正室の実家である田村氏が藩主となり田村家を再興しました。

1695(元禄8)年には水沢伊達家(留守(るす)氏)を当主に中津山藩が3万石で仙台藩の支藩として設けられますが、こちらはすぐに改易となって仙台藩に吸収されます。

【岩手の江戸時代の歴史】盛岡藩の分割と代官による「通」の統治

盛岡藩は1664(寛文4)年に当主が後継を定めずに病死したため、遺領が盛岡藩8万石と新設の八戸藩2万石に分割されて二子(ふたご)に相続されました。なお、盛岡藩は1683(天和3)年に10万石に復し、1808(文化5)年には実高をともなわない20万石へと高直しされます。

現在の岩手県域の大半を占める盛岡藩では、領内を「通(とおり)」と呼ばれる統治区域に分割し、代官に統治させました。山林原野が広がり、耕地が少なく、村落が点在していた盛岡藩領ならではの行政システムです。

【岩手の江戸時代の歴史】盛岡藩の分割と代官による「通」の統治

盛岡藩の藩庁であった盛岡城。別名は「不来方城(こずかたじょう)」。明治維新後に解体され、現在は石垣などが残ります。

【岩手の江戸時代の歴史】盛岡藩・仙台藩で盛んだった鉱山業

江戸時代の岩手県域では鉱山業が盛んで、盛岡藩領では鹿角(かづの)郡の白根(しらね)や尾去沢(おさりざわ)、志和郡の佐比内(さひない)、仙台藩領では磐井郡の東山、気仙郡竹駒の玉山などの金山が代表例でした。鉱山の産金は盛岡藩の財政を支えましたが、寛文年間(1661~1673年)を境に産金量が減少し、かわりに銅山を経営するようになっていきました。

【岩手の江戸時代の歴史】製鉄業の成長

また、製鉄業が広まりを見せたのもこの頃のことです。仙台藩の製鉄技術が伝わると、北上山地の北部は盛岡藩の製鉄業の中心地となりました。九戸地方の鉄山で生産された鉄は、太平洋を利した東廻り航路で江戸などの遠隔地にも移出され、18世紀後半以降には東日本の太平洋岸の市場をほぼ独占するまでに成長します。

江戸時代に誕生した南部鉄器

岩手県の特産品である南部鉄器には、おもに水沢(仙台藩)と盛岡(盛岡藩)の2系統に源流が求められます。

水沢での鋳物は奥州藤原氏の時代に始まり、江戸時代には仙台藩の庇護を受けて鉄鍋や鉄釜などを生産しました。盛岡での鋳物は二代藩主・南部重直(しげなお)が甲斐から鋳物師を、京から釜師を招き、領内の良質な砂鉄を元に鉄瓶の製作を進めました。

明治維新後に一時的に衰退しますが、展覧会で声望を高め、全国的な需要を得るようになります。

【岩手の江戸時代の歴史】奥羽越列藩同盟の結成と戊辰戦争の敗北

幕末には陸奥国、出羽国、越後国の諸藩が明治政府に反抗する奥羽越列藩同盟を結成し、「朝敵」として戊辰戦争を戦うことになります。1868(明治元)年秋に米沢藩、仙台藩と奥羽越列藩同盟の盟主格が相次いで降伏し、まもなく盛岡藩も降伏。東北地方での戦闘は終結し、岩手県域は明治政府の直轄領として新しい時代を迎えることになります。

【岩手の江戸時代の歴史】奥羽越列藩同盟の結成と戊辰戦争の敗北

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Part.1 地図で読み解く岩手の大地

・盛岡のまちを見守る名峰 岩手山はどうやってできた?
・宮沢賢治が名付けた理想の地? イーハトーヴの風景地とは
・三陸海岸のうち南部だけが リアス海岸になっている理由
・三陸沖で多発する地震と 津波発生のメカニズムを探る
・平泉の黄金文化を支えた 玉山金山はどこがすごい?
・カルスト台地に刻まれた猊鼻渓と 幽玄洞は古生代の化石の宝庫!
・ティラノサウルス類化石も発見! 国内最大の琥珀産地・久慈

などなど岩手のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 岩手を駆け抜ける鉄道網

・軌道から車両まで対策は万全! 積雪地帯を快走する東北新幹線
・一ノ関以北で客車が走り続けた 大幹線・東北本線の歴史と実力
・急勾配を克服する物流の幹線 IGRいわて銀河鉄道がすごい!
・『銀河鉄道の夜』の原風景を走る岩手軽便鉄道に始まった釜石線
・三陸縦貫鉄道を引き継ぎ誕生! 沿岸部を走る三陸鉄道リアス線
・龍ヶ森の急勾配を越えろ! 奥羽山脈を横断する花輪線

などなど岩手ならではの交通事情を網羅。

Part.3 岩手で動いた歴史の瞬間

・人々が定住し集落が生まれ 南北それぞれの文化が発達
・胆沢平野を中心に米作が進み 強大な権力も生まれる
・蝦夷のリーダー・アテルイと ヤマト王権の熾烈な争い
・安部氏から奥州藤原氏 やがて群雄割拠の戦乱へ
・前九年・後三年の役が終結し 花開いた黄金の平泉文化
・大崎氏と斯波氏の時代を経て 南部氏と伊達氏が台頭
・戊辰戦争での敗北から 紆余曲折ののち岩手県が成立

などなど、激動の岩手の歴史に興味を惹きつける。

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