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【盛岡三大麺①】わんこそば

さて、盛岡三大麺の筆頭といえば岩手名物の「わんこそば」。小ぶりな椀に一口でツルっと食せるサイズのそばですが、椀が空いた瞬間に給仕の人が次のそばを椀の中に投入します。隙をついて蓋をしない限り、そば投入は終わりません。

これは宴席で大勢の客をもてなすために始まったといわれます。満腹でも容赦なくおかわりが投入されるなか、食事の席はいつしか笑い声に包まれ、この地の温かいもてなしの心を感じることができます。

わんこそばの起源

この「わんこそば」の起源は、盛岡説と花巻説のふたつあります。天正年間、盛岡藩主・南部利直(なんぶとしなお)が花巻を訪れた際に、出されたそばがあまりにもおいしく、何度もおかわりをしたというのが花巻説

いっぽう、盛岡出身の第19代内閣総理大臣・原敬(はらたかし)が朱塗りの椀を店に常備するほどのそば好きで、のちにそれを模した椀で客にそばが出されるようになった、というのが盛岡説です。

>>盛岡でわんこそばを食べるならこちらの記事へ

【盛岡三大麺②】盛岡冷麺

もうひとつの盛岡名物麺「盛岡冷麺」はもともと韓国で食べられていた麺料理で、辛さはもちろんのこと、小麦粉とデンプンからつくられた非常にコシのある麺が特徴です。

朝鮮北部から移住してきた「食道園」の青木輝人(てると)氏が、日本人の口にも合うように工夫を重ねて考案した盛岡冷麺は、スープは牛骨、鶏肉などのだしがコクを生み、キムチの辛さとの絶妙なコラボが堪能できます。

>>盛岡で盛岡冷麺を食べるならこちらの記事へ

【盛岡三大麺③】じゃじゃ麺

三つ目の盛岡名物麺は「じゃじゃ麺」。中国東北部の麺料理を、「白龍(パイロン)」の高階貫勝(たかしなかんしょう)氏が屋台で出したのが始まりです。

もともとは「炒めみそうどん」という名前でした。麺とよく絡み合う特製味噌だけでも十分おいしいですが、そこに酢、おろししょうが、にんにく、ラー油などを好みで加えることで味に変化を加えることができます。

今ではアンテナショップや物産展など、どこでも食べられるとはいえ、一度は本場盛岡で味わいたいものです。

>>盛岡でじゃじゃ麺を食べるならこちらの記事へ

盛岡三大麺のほかにもある!岩手の麺料理

岩手にはほかにも麺料理がたくさんあります。

まずは「まめぶ」。小麦粉でつくった団子の中にクルミを入れるのが特徴。人参、ゴボウなどと一緒にだし汁で煮ます。結婚式、正月などハレの日に供されます。「まめぶ」は、具材の「まり麩」がなまって「まめぶ」になったという説があります。

かっけ」は岩手県北の二戸(にのへ)、九戸(くのへ)地域の麺料理で、そば打ちで出たそばのかけらをだし汁で煮たもの。厳しい自然環境で育まれた郷土料理です。

そして「ひっつみ」は、関東地方の「すいとん」に非常に近いです。小麦粉団子をちぎって(ひっつまんで)調理することからこう呼ばれます。岩手が盛岡藩の頃から食されてきた伝統料理です。

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Part.1 地図で読み解く岩手の大地

・盛岡のまちを見守る名峰 岩手山はどうやってできた?
・宮沢賢治が名付けた理想の地? イーハトーヴの風景地とは
・三陸海岸のうち南部だけが リアス海岸になっている理由
・三陸沖で多発する地震と 津波発生のメカニズムを探る
・平泉の黄金文化を支えた 玉山金山はどこがすごい?
・カルスト台地に刻まれた猊鼻渓と 幽玄洞は古生代の化石の宝庫!
・ティラノサウルス類化石も発見! 国内最大の琥珀産地・久慈

などなど岩手のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 岩手を駆け抜ける鉄道網

・軌道から車両まで対策は万全! 積雪地帯を快走する東北新幹線
・一ノ関以北で客車が走り続けた 大幹線・東北本線の歴史と実力
・急勾配を克服する物流の幹線 IGRいわて銀河鉄道がすごい!
・『銀河鉄道の夜』の原風景を走る岩手軽便鉄道に始まった釜石線
・三陸縦貫鉄道を引き継ぎ誕生! 沿岸部を走る三陸鉄道リアス線
・龍ヶ森の急勾配を越えろ! 奥羽山脈を横断する花輪線

などなど岩手ならではの交通事情を網羅。

Part.3 岩手で動いた歴史の瞬間

・人々が定住し集落が生まれ 南北それぞれの文化が発達
・胆沢平野を中心に米作が進み 強大な権力も生まれる
・蝦夷のリーダー・アテルイと ヤマト王権の熾烈な争い
・安部氏から奥州藤原氏 やがて群雄割拠の戦乱へ
・前九年・後三年の役が終結し 花開いた黄金の平泉文化
・大崎氏と斯波氏の時代を経て 南部氏と伊達氏が台頭
・戊辰戦争での敗北から 紆余曲折ののち岩手県が成立

などなど、激動の岩手の歴史に興味を惹きつける。

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