更新日: 2024年1月22日
北上山地と奥羽山脈が秘めた謎~成り立ちが異なるふたつの山地~
北海道に次ぐ大きな面積を誇り、南北には北上川を挟んで2本の山地が走る岩手県。
この雄大なふたつの山地は、その成り立ちや年代がまるで違っています。
【岩手県の地形と地質①】北上山地
岩手県の地形は、西側を南北に走る奥羽(おうう)山脈、東側を南北に走る北上山地、これらに挟まれた北上低地帯に大別されます。
北上山地は、早池峰山(はやちねさん)以北と南側とで形成年代やそのしくみが異なります。
北上山地南部
約5億年前(古生代カンブリア紀)、南側の南部北上山地の基盤は、赤道付近の超大陸(ゴンドワナ大陸)の北縁にあり、そこではサンゴや三葉虫(さんようちゅう)が栄えていました。これが海洋プレートの移動とともに大陸から分離、移動。約1億4000万年前(白亜紀初期)、アジア大陸の東岸に到達しました。この年代は、アンモナイトや三葉虫、植物などの浅海や陸地で生きていた生物化石からわかっています。
北上山地北部
他方で、北側の北部北上山地の大部分は、約1億8000万年前(ジュラ紀前期)、海洋プレートが大陸へ沈み込む際、その一部が剝ぎとられて陸側にくっついてできた付加体(ふかたい)です。
北上山地は2つの異なる基盤からなる
このように、北上山地は南北で異なる道を歩みながら接合した地塊が基盤となっています。また、北上山地には、白亜紀前期、地下で大量に発生したマグマが冷えて固まった花崗岩(かこうがん)類や火山岩類が各所に分布しています。
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