トップ > カルチャー >  北陸 > 富山県 >

「MaaS」という概念が近年交通業界で注目されている?

近年、交通業界ではMaaS(マース・Mobility as a Service)と呼ばれる概念が注目されています。マイカーに頼らずとも不自由なく移動できるよう、公共交通機関をリンクさせる考え方です。電車、バス、タクシーなどの交通サービスに対し、利用者はそれぞれに経路検索や支払いをおこなうのが一般的ですが、MaaSの概念では、たとえば1つのアプリで経路検索・予約・支払いができるようにするなど、利用者にとってあらゆる公共交通移動がひと続きのサービスであるべきと捉えられています。鉄道やバスが同じ運賃体系で運行される欧州の多くの都市に比べ、日本では導入が難しいといわれてきました。

富山でMaaSの実証実験! 「ノーマイカー運動」

そんななか、富山県では各自治体と交通事業者が共同で「ノーマイカー運動」を実施。期間中は、通勤・通学において、対象の交通機関に1回100円で乗車できるなど、住民が進んで公共交通を利用したくなるプロジェクトをおこなってきました。また、富山大学で2019年に開催された学会では、富山県内のすべての公共交通に乗車できる切符をスマートフォンのe-ticket方式で実現。実証実験だったとはいえ、県内すべての公共交通に共通して乗車できるチケットの発行は全国初となりました。

富山流のMaaSが着実に進行中

富山地方鉄道と富山ライトレールが合併し、ICカード乗車券は富山地方鉄道の「ecomyca」に統合されることになりました、富山ライトレールの「passca」も今まで通り使用できるといいます。富山地方鉄道の市内電車では、2021年度にSuicaやICOCAなどが利用可能となりました。さらに、トヨタ自動車が開発したMaaSアプリ「myroute」内で、富山地方鉄道がデジタル乗車券の販売を開始。富山流のMaaSが着実に進められています。

これも富山のMaaS?!無料で乗れる渡し船

射水市の伏木富山港新湊(しんみなと)地区(富山新港)では、全国的にも少なくなった渡し船が運航されています。富山県営渡船、通称「越ノ潟(こしのかた)フェリー」といい、乗船は無料。港の西(越ノ潟)と東(堀岡)を5分ほどで結びます。もともとこの区間は陸地だったため、県道があり、富山地方鉄道の射水線も走っていました。しかし、富山新港開港の際に陸地が分断されたため、代替手段としてフェリーの運航が始まりました。

越ノ潟フェリー乗車のポイント

5分間の船旅の見どころは新湊大橋(しんみなとおおはし)。船から見上げるブリッジビューは、このフェリーに乗らなければ見られない迫力ある光景です。

フェリーは、荒天時を除いて毎日6時44分から20時29分まで運航。フェリーで対岸へ渡り、新湊大橋の歩行者通路(あいの風プロムナード)で戻ってくるコースがおすすめ。

『富山のトリセツ』好評発売中!

富山県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。富山の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報満載!

Part.1 地図で読み解く富山の大地

・立山連峰との高低差4000m!「きときと」ぞろいの富山湾
・黒部ダムが大電源を生み出すまで
・崩壊を続ける立山カルデラ
・極東の氷河の南限は立山! 国内初の氷河認定とライチョウ
・神秘の光景! 魚津の蜃気楼と雨晴海岸の気嵐
・2000年前に形成された魚津埋没林
・富山の水がおいしいヒミツ
・立山の地下には「何か」がある! 活断層はあるのに地震が少ない理由
・富山湾のホタルイカはなぜ有名?

…など

Part.2 富山を駆ける充実の交通網

・北陸新幹線開業による光と影
・河川敷にある富山きときと空港
・SDGs未来都市に選定 ライトレールが象徴するまちづくり
・伏木港は神戸港に憧れた男の夢
・立山の観光ルートは1つじゃない? 一般開放が待ち遠しい黒部ルート
・マッターホルンの麓町から着想 低速電気バスEMUと宇奈月温泉
・鉄オタ集結地! 富山県は公共交通の宝庫
・V字峡谷を走るトロッコ電車

…など

Part.3 富山の歴史を深読み!

・江戸時代は鮎だった! 駅販売で広がったます寿し
・富山県成立までの複雑な歴史/越中の英雄・佐々成政の人物像
・焼け野原と化した富山大空襲/富山の遺跡&古墳は個性派ぞろい
・放生津に存在した亡命政権
・越中の伊能忠敬 射水出身の測量家・石黒信由
・越中の黄金郷 加賀藩極秘の「越中の七かね山」
・北陸近代医療の父・黒川良安
・世界遺産は加賀藩の軍事工場 五箇山でおこなわれた塩硝づくり

…など

Part.4 富山で育まれた文化や産業

・「越中おわら節」はなぜ有名?
・財政難を立て直した富山の売薬
・布教のためのテキストだった 曼荼羅から読み解く立山信仰
・秀吉も称えた伝説の刀工・郷義弘
・売薬商人は危ない橋を渡っていた? 薬の密貿易が生んだ昆布文化
・有名な創業者も多く輩出 富山県民は倹約家で働き者
・ジャポニズムの立役者・林忠正
・アニメの聖地が多い富山県
・瑞泉寺再建から始まった井波彫刻

…など

『富山のトリセツ』を購入するならこちら

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
1 2

記事をシェア

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  北陸 > 富山県 >

この記事に関連するタグ