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松尾芭蕉の足跡:那須

那須温泉神社(那須町湯本)

7世紀創建と伝わる神社で、那須与一(なすのよいち)が屋島の戦いで扇の的を射る際に祈願したとされています。那須温泉神社と殺生石の句は『おくのほそ道』にはなく、同行した河合曾良の記録である『曾良旅日記』に見えます。

湯をむすぶ 誓も同じ 石清水

那須温泉神社

住所
栃木県那須郡那須町湯本182
交通
JR宇都宮線黒磯駅から関東自動車那須湯本方面行きバスで35分、那須湯本下車すぐ
料金
自転車お守り=800円/

殺生石(那須町湯本)

荒涼とした風景に硫黄の香りが漂う史跡。都から逃げてきた妖狐・九尾の狐が石になって毒気を振りまいたという伝説が残っています。芭蕉は「石の毒気いまだほろびず。蜂蝶のたぐひ真砂(まさご)の色の見えぬほど重なり死す」と記しています。

石の香や 夏草赤く 露あつし

殺生石

住所
栃木県那須郡那須町湯本
交通
JR宇都宮線黒磯駅から関東自動車交通那須湯本方面行きバスで35分、那須湯本下車、徒歩5分
料金
情報なし

遊行柳(那須町芦野)

芭蕉の敬愛した西行(さいぎょう)が「道のべに清水流るる柳陰 しばしとてこそ立ちどまりつれ」と詠んだと伝わる場所。歌枕の地としても知られています。芭蕉はこの柳を見たいという願いをかなえ、感動して下の句を詠んだそう。

田一枚 植て立ち去る 柳かな

境の明神(那須町寄居)

その名のとおり、下野国と陸奥国の国境にある神社。芭蕉はこの地を越え、みちのくの地へ入りました。

松尾芭蕉の足跡:日光

裏見(うらみ)の滝(日光市丹勢(たんぜ))

日光三名瀑のひとつ。裏側から滝が見られたことからこの名がつきました。芭蕉も「廿余丁(にじゅうよちょう)山を登って滝あり。…中略…岩窟に身をひそめ入りて滝の裏より見れば、裏見の滝ともうし伝えはべるなり」と綴っています。

暫時は 滝に籠るや 夏の初

裏見ノ滝

住所
栃木県日光市安良沢
交通
JR日光線日光駅・東武日光線東武日光駅から東武バス中禅寺湖方面行きまたは湯元温泉行きで11分、裏見の滝入口下車、徒歩50分
料金
情報なし

日光東照宮(日光市山内)

日光に参拝した芭蕉は、「今この御光(みひかり)一天にかゝやきて、恩沢八荒(おんたくはっこう)にあふれ、四民安堵(あんど)の栖穏(すみかおだやか)なり」と、東照宮と徳川家の威光を賞賛して下の句を詠みました。

あらたふと 青葉若葉の 日の光

日光東照宮

住所
栃木県日光市栃木県日光市山内2301
交通
JR日光線日光駅・東武日光線東武日光駅から東武バス「世界遺産めぐり」で9分、表参道下車すぐ
料金
見学料=大人1300円、小・中学生450円/三猿ストラップ守=700円/三猿キーホルダー守=300円/三猿人生守=各800円/印籠守=1000円/御香守=各500円/三猿みくじ=100円/眠り猫おみくじ=100円/御朱印=400円/白檀の御香守=500円/叶鈴御守=800円/(35名以上の団体は大人1170円、小・中学生405円、障がい者手帳持参で割引あり、一部拝観制限あり、要問い合わせ)

松尾芭蕉の足跡:鹿沼

光太寺(鹿沼市西鹿沼)

戦国時代に創建されたと伝わる曹洞宗の寺。境内に、芭蕉が残した編み笠と草鞋を埋めて供養したといわれる笠塚があります。

松尾芭蕉の足跡:栃木

室の八嶋(栃木市惣社町)

約1800年前の創建と伝わる大神(おおみわ)神社の境内の池にある、8つの小島。それぞれに1つずつ神社が祀られています。右の句は『おくのほそ道』には収録されず、曾良の旅記録のひとつ『俳諧書留』に記されています。

糸遊に 結びつきたる 煙かな

松尾芭蕉の足跡:大田原

雲巌寺(大田原市雲岩寺)

八溝(やみぞ)山地の奥深くに建つ臨済宗妙心寺派の名刹で、禅宗の日本四大道場のひとつ。寺の奥に、芭蕉の参禅の師と伝えられる仏頂(ぶっちょう)和尚が修行した山居の跡があり、そこを訪れて詠んだのが下の句です。

啄木も 庵は破らず 夏木立

鹿子畑翠桃墓地(大田原市余瀬)

旧黒羽町(くろばねまち)に位置する、芭蕉の俳諧の弟子であった鹿子畑翠桃の邸宅跡近くにある墓地。翠桃は、兄の浄法寺桃雪(とうせつ)とともに芭蕉を歓待。芭蕉は黒羽に、この旅中で最長の14日間滞在しました。

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Part.1 地図で読み解く栃木の大地

・雷が多い理由は地形にあり!
・奥日光は男体山がつくった?
・日本最大の渡良瀬遊水地ができた理由
・川を横切る川!? 不毛の扇状地を潤す那須疏水
・奈良の大仏に那須の金!? 栃木は地下資源の宝庫だった!
・F.L.ライトが山ごと買った大谷石の魅力
・葉脈から動物の体毛までくっきり! 古塩原湖に眠る太古の記憶
・栃木にゾウやサイがいた! 化石と野州石灰の産地・葛生

Part.2 栃木を走る充実の交通網

・県南を通る予定だった!? 東北本線の紆余曲折
・日本のマンチェスターを目指せ! 織物の街をつなぐ両毛線
・栃木随一の観光地をめぐるJR日光線と東武日光線の軌跡
・地域の産業を牽引した人車鉄道/郷愁誘う各地の廃線をたどる
・わたらせ渓谷鐵道の前身は足尾鉄道
・幾多の苦難を乗り越えた真岡線
・構想から25年を経て着工! 宇都宮~芳賀にLRTが走る
・要衝・下野国を貫く街道の変遷
・舟運で“蔵の街”となった栃木市

Part.3 栃木で動いた歴史の瞬間

・なぜ「那須」が付く市や町が多い?
・遺跡からたどる東山道と律令期の下野国
・平将門を討った豪傑・藤原秀郷とは何者か?
・足利氏には2つの流れがあった! 鎌倉幕府と下野御家人の関係
・名族宇都宮氏の栄枯盛衰
・ザビエルやフロイスも讃えた「坂東の大学」足利学校
・江戸幕府最大の聖地・日光東照宮創建
・廃藩置県、そして栃木県誕生!
・「一の宮」が2つ? 日光二荒山神社と宇都宮二荒山神社
・不毛の原野が酪農王国に! 那須野が原の大開拓

Part.4 栃木で生まれた産業や文化

・木綿、紬、絹織物、麻…栃木は織物の名産地
・益子焼が始まってまだ170年足らず? 益子が「陶器の里」になったわけ
・半世紀にわたって生産量日本一!! 栃木はなぜいちご王国になった?
・関東平野が工業誘致にぴったりだった? 宇都宮は新たなものづくり都市へ
・「それって栃木?」県名抜きで知名度の高い観光名所

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