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真岡線の歴史は資金不足からはじまる
真岡線の歴史は、今から120年以上も前の1897(明治30)年にまでさかのぼります。この年、栃木県東部に広がる八溝(やみぞ)山地沿いの各地の有力者たちが、水戸鉄道(現在のJR水戸線)の川島駅を起点に、真岡から烏山(からすやま)を経て茨城県の大子(だいご)に至る鉄道路線開設を目指す、常野(じょうや)鉄道会社を設立した。しかし、発起人が株で損害を受けたため、鉄道計画は縮小を余儀なくされます。そのうえで1899(明治32)年9月から工事が始まりますが、資金不足のためわずか3か月足らずで中止。その後も工事再開のめどはつかず、1902(明治35)年に常野鉄道会社は解散となり、最初の真岡線計画は幻となりました。
真岡線の計画は経済不況の影響でまたも頓挫
それから4年後の1906(明治39)年、常野鉄道と同じ路線に再び鉄道を造ろうと、新たに東野(とうや)鉄道会社が発足し、早速工事が開始されます。しかし、始発駅を川島から下館に変更するなどしたものの、日露戦争終戦による経済不況の影響で、工事は進みませんでした。その結果、1910(明治43)年、鉄道敷設免許の効力が失われて工事は挫折し、再び真岡線は幻となります。
真岡線の工事が開始しついに全線開通
真岡線開業に対する2度目の夢が潰えた翌1911(明治44)年、軽便鉄道補助法が公布され、政府による軽便鉄道予定線に下館~真岡が含まれ、工事が開始されました。3度目の工事となる今回は、国としての鉄道事業であるだけに、工事は早い進捗でした。着工からわずか半年後の1912(明治45)年4月1日、下館~真岡の真岡線がついに開通します。その後、路線は真岡~七井、七井~茂木と延伸され、1920(大正9)年には、下館~茂木の真岡線が全線開通しました。これに合わせて、宇都宮~真岡~岩瀬を結ぶ宇岩(うがん)線や、市塙(いちはな)と宝積寺(ほうしゃくじ)をつなぐ市宝(いちほう)線の計画も持ち上がりますが、関東大震災の影響で立ち消えとなります。
真岡鐵道真岡線と計画が消滅した路線のイメージ図
真岡線は「SLもおか」によって旅情あふれるローカル線に
それから時は流れ、太平洋戦争を経て高度経済成長の時代となり、赤字路線である真岡線の廃止計画が浮上。これについては、地元の人々による廃止反対運動が長期にわたって起こりますが、最終的に真岡線は第三セクターへの転換が決定され、1988(昭和63)年、真岡鐵道真岡線として再出発することとなりました。1994(平成6)年にはC12形の蒸気機関車「SLもおか」の運行を開始し、旅情あふれるローカル線として、地元の人々と鉄道ファンに愛されています。
SLもおか
- 住所
- 栃木県真岡市台町2474-1
- 交通
- 真岡鐵道下館駅~茂木駅間運行
- 料金
- 乗車券(下館駅~茂木駅は1030円)+SL整理券(片道)=500円/SL整理券=中学生以上500円、小学生250円/(乗車料別)
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Part.4 栃木で生まれた産業や文化
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