LRTの敷設構想から25年、いよいよ工事が開始
そもそも宇都宮市でLRTの敷設構想が持ち上がったのは、今から28年前の1993(平成5)年。駅前と郊外の工業団地を結ぶ新たな公共交通機関として計画されました。その後、事業を担う宇都宮市の財政に関する問題から一度は計画が中止されたものの、2004(平成16)年頃から再びLRT推進の機運が高まります。その後も、推進派と反対派の間でさまざまな議論が繰り返され、2016(平成28)年、ようやく国土交通省から認可が下ります。こうして2018(平成30)年5月、構想から25年の時を経て、ついにLRTの起工式が行われ、工事が開始されました。
LRTによって解消が期待される渋滞問題
LRTは、新時代の宇都宮市域の公共交通としての役割が期待されています。このため市街の地形や既存の交通との連携、車との共存を考慮し、市民が住む所と働く場所、駅や商業施設など暮らしに便利な場所など、多くの人が集まる所を結ぶルートが検討されました。その結果、JR宇都宮駅東口から工業団地が集まる芳賀(はが)町の本田技研北門まで、約15㎞の路線を優先整備区間とし、工事が進められています。これにより、長年、宇都宮市の交通問題であった工業団地方面の渋滞の解消が期待されています。
LRTの将来
また、沿線には商業施設や大学など人々が集まる施設が点在しており、通勤利用だけでなく、通学する学生や買い物客などの利用も多くなると予想されています。そのうえで将来的には、宇都宮駅西口から市域の西側へ路線を延伸させることも検討されており、最終的には市域の東西方向を結ぶ公共交通機関となる予定です。
LRTの車両デザインや車内は?
開業に向け、公式ウェブサイトなどで情報が発信され、LRT車両のデザインも公開されています。車両は全長約30mの3両編成で、座席数は50。乗車定員は160人となります。カラーリングは「雷都(らいと)」と呼ばれる宇都宮・芳賀にちなんで、雷の稲光をイメージした鮮やかな黄色をシンボルカラーとしています。車内には車いすやベビーカーを置くフリースペースも備え、乗る人に優しいうれしい設計。少子高齢化、都市空洞化の時代に、軌道交通がどんな役割を示すのか?宇都宮LRTの今後に注目しましょう。
宇都宮LRTの路線図(予定)
現在工事が進められているのは、JR宇都宮駅東口から芳賀町の工業団地内に位置する本田技研北門までの優先整備区間約15㎞。この間に19か所の停留場を置き、そのうち5か所はトランジットセンター(乗り換え施設)として、バスや車、自転車との乗り換えが可能とし、既存交通機関とのスムーズな連携も考慮されています。2023年の開業後は、JR宇都宮駅の西側区間への延伸も検討されています。
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