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のと鉄道は観光列車の運行開始!

そこでのと鉄道が新たに打ち出したのが観光列車でした。全国各地で趣向を凝らした観光列車が走り、地域の魅力を伝えているなか、のと鉄道でも季節やイベントに合わせた観光列車を運行するようになりました。

のと鉄道の観光列車「のと里山里海号」

北陸新幹線開業に合わせて能登にも観光客を呼び込むべく、2015年には「のと里山里海号」の運行を開始。車体は日本海をイメージした濃紺で、能登の黒瓦のように美しく輝く鏡面仕上げには金色のラインが上品さを添えています。

「里山車両」と「里海車両」の2車両で運行しており、里山車両はオレンジのシート、里海車両はブルーのシートで差別化されました。

のと鉄道の観光列車「のと里山里海号」
のと鉄道 のと里山海号

海岸沿いを縫うように運行。穴水町では、かつての漁法の名残「ボラ待ちやぐら」の景色が見られます。

「のと里山里海号」の内装で見られる伝統工芸

どちらも基本的な座席配置は同じで七尾湾に面した席やボックス席が設けられ、里山車両にちょっとしたおみやげなどが買える販売カウンターがあります。

車内で目を引くのは、随所にちりばめられた能登の工芸。七尾市田鶴浜地区の伝統工芸、田鶴浜建具の装飾や、輪島塗の沈金パネルなど、目を凝らしてしまうほどに繊細な職人仕事を見ることができます。

「のと里山里海号」の内装で見られる伝統工芸
のと鉄道 のと里山海号

ブルーが基調の里海車両。田鶴浜建具の美しい組子細工に目を奪われます。

のと鉄道に乗りながら激レアな鉄道郵便車を見学

能登中島駅で、「のと里山里海号」は10分ほど停車します。国内に2両しか残っていない鉄道郵便車オユ10を見学できるからです。

鉄道郵便車とは、郵便物を車内で仕分けしながら全国各地を走った車両で、ここでは昭和61(1986)年に廃止になったものが保存されています。

内部を見学できるだけでなく、車内のポストに投函すると特別消印が押されてちゃんと配達されるので、旅先から送る郵便物をさらに特別なものにしてくれます。

能登の観光列車・特急「花嫁のれん」

金沢と和倉温泉を結ぶ特急「花嫁のれん」も観光客を喜ばせています。こちらは、JR西日本が運行するものです。

「花嫁のれん」とは、石川県に根付いた婚礼の風習で、花嫁の幸せを願い婚礼の日にのれんを贈るという伝統文化。乗客の幸せを願い、この列車は名付けられました。

能登の観光列車「花嫁のれん」のロゴマーク

ロゴマークのモチーフは、伝統工芸の加賀水引。水引の3つの基本である「包む」「結ぶ」「書く」を芸術の域にまで独自に昇華させたもので、それまでは平面的だった水引を立体的に仕上げているのが特徴です。

もともと水引の基本の淡路結びには、簡単に解けないことから末永いお付き合いができるようにという願いが込められており、人と人を結ぶ列車であることを表現しています。

能登の観光列車「花嫁のれん」の装飾の見どころ

車両デザインは、「和と美のおもてなし」がコンセプト。外観は、輪島塗や加賀友禅をイメージし、シックな赤に美しい装飾が施されました。

1号車は、8つの半個室があるプライベートな雰囲気で、各部屋には加賀友禅のオールドコレクションをあしらっています。2号車は、通路が流水のイメージでデザインされており、紅色の生地と背面の木の格子が特徴的な回転いすが配置されています。

内装は、輪島塗の伝統的な図柄を表現したものです。エントランスでは工芸品の展示もあり、退屈する暇もありません。

能登へ行くなら観光列車という選択肢も大いにあり、と思わせてくれます。

能登の観光列車「花嫁のれん」の装飾の見どころ

車体は、加賀友禅と輪島塗をイメージしたもの。それぞれ個性の異なる1号車と2号車で運行しています。

能登の観光列車路線図


「花嫁のれん」で金沢から七尾および和倉温泉まで、「のと里山里海号」で七尾から穴水まで、と両列車を楽しむことも可能。能登の穏やかな田園や海岸沿いの風景を車窓から満喫できます。

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・石川県は天気予報が難しい?能登と加賀の地形と天気
・伊能忠敬を苦しめた外浦・内浦
・珠洲岬はなぜパワースポット?
・霊峰白山と「しらやまさん」
・金沢は街そのものが博物館
・能登の歴史的遺産「千枚田」
・金沢の用水が果たした役割
・坂を上ると世界が変わる?魔性が宿る金沢の坂
・市内に25ヵ所以上の石切り場が存在!小松は日本の宝玉の産地

Part.2 石川を走る交通網のアレコレ

・開業後、石川はどう変わったか?北陸新幹線のココがすごい!
・活発化する海の玄関口、金沢港
・官民共用で発展する小松飛行場
・路面電車「青電車」が消えた理由
・鉄道交通の要「金沢駅」の誕生秘話
・粟崎へ人々を運んだ浅野川電鉄
・石川の伝統工芸が随所にあしらわれた、能登を走る2つの観光列車
・石川県唯一の私鉄、北陸鉄道の歴史をふりかえる

Part.3 石川の歴史を深読み!

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・前田家の運命を決めた末森城
・利家の妻が有名なのはなぜ?賢妻としてまつが残した功績
・地名の由来はお坊さん?金沢モダンを象徴した香林坊
・縁結びの聖地、恋路海岸に伝わる悲恋伝説
・城郭建築の美を感じる金沢城
・芭蕉や与謝野晶子が愛した加賀四湯
・江戸時代から続く近江町市場
・日本在来馬「能登馬」とは?
・「小京都」と呼ばれたくない!金沢で受け継がれる武家文化
・那谷寺は胎内くぐりの聖地だった
・平家の末裔と2つの時国家
・倶利伽羅峠と安宅関で辿る義経の悲劇
・有名古墳&遺跡はココに注目

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Part.4 石川で育まれた文化や産業

・六の数字に込められた意味とは?日本三名園「兼六園」は理想の庭
・人間国宝の数が日本一!石川県に息づく伝統工芸の土壌
・古九谷に込めた前田家の対抗心
・あの国宝は実は下絵だった!? 等伯の最高傑作『松林図屏風』
・三文豪が愛した犀川と浅野川
・大伴家持の能登巡行と万葉集
・偉人を輩出した第四高等学校
・祭りのない金沢、祭り天国能登
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