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小松空港が持つ航空自衛隊小松基地という側面

小松基地は、日本海側唯一の戦闘機部隊が所在する基地という特徴をもっています。日本海を隔てた諸外国へは航空機では約1時間と距離が近いため、日本海側の防衛を担う小松基地の役割がいかに大きいかが分かるでしょう。

小松基地が担っている役割

航空総隊の中部航空方面隊に属している航空団のうち、小松基地に置かれているのは第6航空団の司令部です。

昭和51(1976)年にF-4戦闘機部隊として新編された第303飛行隊は、現在F-15戦闘機を主軸に、対領空侵犯措置等の任務に就き、日本の空の平和維持に日々努めています。

また、第306飛行隊は、F-15戦闘機の改修機を運用する部隊。全国から選りすぐりのパイロットを集めて戦技教育をおこなっており、日本における「トップガン」といっても過言ではありません。

さらに、F-15戦闘機を駆るパイロット・通称「イーグルドライバー」の仮想の敵役を果たす通称「アグレッサー」も配備されています。

2019年には、これまでの戦闘機から格段に進化したシステムを有するF-35Aの飛行試験が小松基地上空などで実施されており、もしこれが配備されれば空自最強の性能がそろうことになります。

小松空港を離発着する民間の航空機

民間の航空機に関しては、国内4路線に加え、上海・ソウル・台北への3路線の国際線が定期便として就航しているほか、香港やタイなどへ国際チャーター便も運航しています。

年間、羽田~小松間だけで150~200万人台の利用がありましたが、2015年の北陸新幹線の開業が影響し、空港利用者数は前年比73%に落ち込みました。それでも、現在も日本海側最大の旅客数を維持しています。

また、石川県を訪れる海外からの観光客の増加に伴い、国際線の利用も着実に増えています

小松空港に拠点を持つ国際貨物定期便

旅客機以外にも、小松空港には国際貨物定期便が就航。ルクセンブルクの航空会社であるカーゴルックス航空の日本拠点は、成田空港と小松空港だけであり、先に拠点が置かれたのは小松空港でした。

それ以前のカーゴルックスは、福岡空港に貨物便を就航させていました。しかし、日本便の貨物取扱量が伸び悩み、拠点を再検討した結果、小松空港に着目しました。滑走路が短いと重量制限がかかってしまうなか、2700mという滑走路が魅力的だったからです。

また、東京・大阪・名古屋の3都市圏へトラック輸送しやすいという立地も決め手だったといわれます。

同じような理由で、アゼルバイジャンのシルクウェイウエスト航空も2016年から小松空港に乗り入れています。地方空港に国際貨物定期便が2社就航しているのは、かなりレアなケースです。

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・三文豪が愛した犀川と浅野川
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