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倉敷美観地区の歴史は「倉敷市伝統美観保存条例」の制定によってはじまる
戦火を免れた倉敷には、戦前からの多くの建物がほぼそのまま残りました。戦後になると、古い建物を時代に合わせて活用する風潮が生まれ、土蔵を利用した倉敷民藝館や倉敷考古館が設立。町並みの保存事業が本格的に始まり、1968(昭和43)年「倉敷市伝統美観保存条例」が制定。翌年には「倉敷川畔美観地区」に指定され、“美観地区”の呼称が初めて使われました。
因みに、倉敷の町並み保存を最初に提案したのは、孫三郎の息子である大原総一郎(そういちろう)です。ドイツを訪れた際に、その古くて美しい町並みに感銘を受け、倉敷も後世に残したいと考えたようです。
倉敷美観地区のアイコン的存在「倉敷アイビースクエア」
現在の美観地区のアイコン的な存在になっている倉敷アイビースクエアは、1974(昭和49)年に倉敷紡績の旧本社工場を再開発し、複合交流施設として開業したものです。1979(昭和54)年には、国が選定する「重要伝統的建造物群保存地区」に倉敷川周辺の13.5haが選定され、1998(平成10)年には選定区域を15haに拡大。現在では町全体が保存地区になっています。
倉敷美観地区は歴史的建造物と町並みで世界中から観光客が訪れる
江戸時代から変わらない、白壁やなまこ壁の蔵と洋風建築が調和した独特の美しい町並みを持つ倉敷美観地区は、この地を愛した人々によって発展し、戦前までの建物が現在の地区に約9割も残っているその景観が守られました。魅力ある町づくりは現在も続き、県民のみならず毎年世界中の観光客が訪れています。
倉敷美観地区一帯とおもな見どころ
JR倉敷駅から南へ徒歩約10分の位置にある美観地区。倉敷川の両岸と本町通りを合わせると、この地区には江戸時代から戦前の建物が500軒以上も残っています。これだけの規模で古い建物が残っているのは珍しい。
倉敷美観地区の見どころ①:大原美術館
1930(昭和5)年に大原孫三郎が設立した、日本初の私立西洋美術館。ギリシャ神殿風の本館が印象的。世界の名画を含む約1500点を展示しています。
大原美術館
- 住所
- 岡山県倉敷市中央1丁目1-15
- 交通
- JR山陽本線倉敷駅から徒歩15分
- 料金
- 入館料=大人2000円、小・中・高校生500円、小学生未満無料/音声ガイド=600円/(障がい者手帳持参で無料)
倉敷美観地区の見どころ②:語らい座 大原本邸 (旧大原家住宅)
往時の面影を残す典型的な町家で、重要文化財。現在は、大原家の所蔵品や美術品を展示する資料館として開放されています。
語らい座 大原本邸(国指定重要文化財 旧大原家住宅)
- 住所
- 岡山県倉敷市中央1丁目2-1
- 交通
- JR山陽本線倉敷駅から徒歩15分
- 料金
- 大人500円、高校生以下400円、未就学児無料(団体20名以上一般400円、高校生以下200円)
倉敷美観地区の見どころ③:くらしき川舟流し
美観地区の中央を流れる倉敷川には、観光用の川舟が運航しています。白壁の町並みと柳並木をゆったり楽しめます。
倉敷美観地区の見どころ④:倉敷アイビースクエア
倉敷紡績の旧本社工場を複合文化施設として再生。のこぎり屋根や建物を覆うツタが特徴。陶芸体験工房やホテル、レストランなどがある。国認定近代化産業遺産。
倉敷美観地区の見どころ⑤:倉敷民藝館
江戸時代末期の米蔵を改装した民芸館で、日本の民芸品・約600点を展示。倉敷での古民家再利用の第1号で、伝統的建造物保存のきっかけとなりました。
倉敷民藝館
- 住所
- 岡山県倉敷市中央1丁目4-11
- 交通
- JR山陽本線倉敷駅から徒歩15分
- 料金
- 入館料=大人1200円、高・大学生500円、小・中学生300円/倉敷手まりのストラップ=1300円/倉敷手まり=2500円~/オリジナルポチ袋=500円(5枚)/(団体20名以上は大人1000円、高・大学生400円、小・中学生200円、障がい者割引は大人500円、65歳以上は1000円)
倉敷美観地区の見どころ⑥:阿智(あち)神社
鶴形山(つるがたやま)の山頂に鎮座する、創祀1700年を超えるとされる古社。境内には蓬莱様式の磐坐(いわくら)や県指定天然記念物「阿知の藤」などがあります。
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・瀬戸内海はどうやってできた?岡山県の成り立ち
・美作はなぜ西日本有数の温泉地なのか
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・山から貝の化石がとれる不思議
・その大きさは世界2位! 児島湖はなぜ造られたのか?
・「晴れの国岡山」は「天文王国おかやま」だった!
・笠岡市がカブトガニ有数の生息地になった理由
…などなど岡山のダイナミックな自然のポイントを解説。
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・西日本唯一の臨海鉄道線「水島臨海鉄道」の変遷を知る
・わずか16年で廃線になった、幻の三蟠鉄道
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・山陽新幹線は岡山発が多い?交通の要所・岡山駅のスゴさ
・日本で最も短い路面電車が地元で愛される理由
…などなど岡山ならではの鉄道事情を網羅。
Part.3 岡山で動いた歴史の瞬間
・伝説の城「鬼ノ城」は古代日本の防衛ラインだった
・巨大古墳群からひもとく吉備国と大和朝廷の関係
・戦国大名・宇喜多直家は、邑久郡の小領主だった
・難攻不落の備中高松城を、血を流さずに攻め落とせ!
・宇喜多秀家が基礎を築き池田家が整備した城下町
・岡山藩藩主の憩いの場として築かれた大庭園・後楽園
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Part.4 岡山で生まれた産業や文化
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・養蚕・イグサ・綿・デニム…。岡山が誇る繊維業
・瀬戸内工業地域・水島コンビナートの誕生秘話
・倉敷市が一大観光地に成長した理由
・刀工集団・長船派は、どのようにして生まれたのか
…などなど岡山の発展の歩みをたどる。
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