【東武鉄道の歴史】国鉄とのバトルに勝利した決め手とは
バトルは激化し、東武は翌60年、デラックスロマンスカー1720系を登場させます。1720系は決定打ともいうべきすぐれた車両で、固定窓、冷房完備、サロンルームにはジュークボックス、貫通路には自動扉のマジックドアを備えていました。ビュフェでは軽食がとれますし、当初は電話室もありました。リクライニングシートはシートピッチも国鉄のグリーン車に匹敵しました。
これには国鉄も降参で、「日光戦争」ともいわれた大バトルは東武鉄道の勝利で終わったのです。
【東武鉄道の歴史】時を経て国鉄と互いに協力しあう
それから約半世紀が経った2006(平成18)年、栗橋駅に東武日光線とJR東北本線を結ぶ連絡線が設けられ、連絡輸送が開始されました。
日光方面へのアクセスは、鉄道よりもマイカーやバスの時代となり、これに対抗するため、かつてのライバル同士が互いに協力をすることになったのです。
栗橋駅で接続する東武日光線とJR東北本線
東武動物公園(宮代町)と東武日光を結ぶ東武鉄道日光線に対し、JRは上野〜宇都宮間は東北本線経由で日光線へ入ります。
両線は栗橋駅で接続しますが、2006(平成18)年、ようやく連絡線が設けられ、JR新宿〜東武日光および鬼怒川温泉間で特急の直通運転が始まりました。
東武鉄道と国鉄の歴史を受け継ぐ車両
東武車両の100系スペーシアは、デラックスロマンスカー1720系の遺伝子を受け継ぐ車両です。JRの253系1000番台は、元・成田エクスプレスの車両を改装しグレードアップしたもので、ともに往時のようなデラックス車両です。
新宿駅で見る東武車、あるいは東武日光でのJR車に隔世の感があるいっぽうで、日光方面への鉄道輸送が今後も発展することを願ってやみません。
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