更新日: 2024年1月13日
東武鉄道の歴史は日光を巡る国鉄とのバトル抜きでは語れない!~埼玉の鉄道~
今では東北本線と東武鉄道は栗橋で接続し、日光・鬼怒川への直通運転を行っていますが、昭和30年代をピークにかつて両者は集客バトルを演じていたのです。
【東武鉄道の歴史】観光地日光をめぐる国鉄とのバトル
東京と日光方面を直通する優等列車は、東武鉄道の特急「スペーシア」「リバティ」、東武鉄道とJR東日本が相互に乗り入れ直通運転を行う特急「スペーシア日光」「スペーシアきぬがわ」「日光」「きぬがわ」があります。相互乗り入れする特急は、新宿〜日光・鬼怒川温泉間を山手線、東北本線、東武日光線、東武鬼怒川線経由で連絡輸送し大変便利で人気も高いです。
しかし、JRの前身である国鉄時代、国鉄と東武は連絡輸送どころか、国際観光地である日光を巡って大バトルを繰り広げていました。
東武鉄道の歴史は対国鉄への快進撃とともに!
日光への鉄道は日本鉄道(のちに国有化)が宇都宮〜日光間を1890(明治23)年に開業させており、古くから利用されていました。
対して、東武日光線は1929(昭和4)年の開業。国鉄へ対抗して特急列車を走らせました。非電化の単線で蒸気運転だった国鉄日光線に比べて、全長94.5㎞の東武日光線は全線電化の複線。東京からの観光客輸送では東武が圧倒的優位だったのです。
さらに、東武鉄道は1935(昭和10)年からはロマンスカーのデハ10系を投入。深々としたクロスシートや八角形のシャンデリアがある豪華な車両で好評を博しました。
国鉄が東武鉄道に応戦
これに国鉄が黙っているはずもなく、1956(昭和31)年、最新の気動車キハ55系を使用した準急「日光」を走らせました。
対する東武は、リクライニングシートの高性能車1700系を登場させましたが、国鉄は1959(昭和34)年に日光線全線を電化。さらに、「日光形」とも称された特急型並みの設備を誇る157系電車を開発し、1959(昭和34)年にデラックス準急として投入します。冷房はついていませんでしたが、準急料金では破格の設備で大好評でした。
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