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水島臨海鉄道は国、行政、企業の共同出資で誕生

倉敷市交通局は水島臨海工業地帯造成のための鉄道整備を目的として、まず経費節約と車両の近代化に着手します。当時すでに前時代的となっていた蒸気機関車を、本線用としてはまだ普及していなかったディーゼル機関車に随時変更。燃料費や人件費などの大幅削減に成功します。その後も岡山県と倉敷市は積極的に水島への工場誘致を行い、そのたびに倉敷市交通局は工場敷地までの引込線を延伸。ところがそれにより収入は増加したものの、工事費用が財政を圧迫していきます。
昭和30年代後半から40年にかけて、工場誘致により水島コンビナートの整備が進み、倉敷市交通局では増大する貨物輸送の需要に対応することが難しくなる中、将来的な輸送需要に対応する設備投資と体制整備のため、国鉄、岡山県、倉敷市、水島地区関係企業の出資により、1970(昭和45)年2月2日に「水島臨海鉄道株式会社」が誕生。同年4月1日に営業を開始しました。

水島臨海鉄道は度重なる経済危機で苦しい経営が続く

水島臨海鉄道の誕生は、戦後日本の高度成長が頂点に達した時期のことであり、貨物輸送や労働者の増加に応える輸送手段として果たす役割は大きいと予想されましたが、実際は1971(昭和46)年のドルショック、1973(昭和48)年のオイルショック、1997(平成9)年のアジア通貨危機、2008(平成20)年のリーマンショックなどの経済危機に影響を受け、苦しい経営を余儀なくされます。

水島臨海鉄道の貨物輸送の変遷

貨物輸送は、1972(昭和47)年にピークを迎えると、その後はトラック輸送などへの転換により減少しますが、コンテナ輸送の増加や、輸送手段を自動車から環境負荷の小さい鉄道や船舶へと転換を図るモーダルシフト政策に基づく山陽線貨物輸送力増強事業により貨物輸送力の強化を後押しし、また1995(平成7)年の阪神淡路大震災や、最近では2018(平成30)年の西日本豪雨など度重なる自然災害に起因する輸送障害に対しても適時適切な輸送手配を実施し、現在の輸送量水準を維持しています。

水島臨海鉄道の旅客輸送の変遷

一方、旅客輸送においては、1992(平成4)年に水島市街地の一体的な発展と都市機能向上を目的とした水島高架が完成。倉敷市駅から三菱自工前(みつびしじこうまえ)駅まで10駅となり、翌1993(平成5)年に旅客輸送人員はピークを迎えました。なお、高架化を記念した野外彫刻8点が、弥生(やよい)駅から水島駅にかけての沿線に展示されています。
そしてバブル経済の崩壊以降、長引く不況で乗客数の減少が続きますが、JR倉敷駅北に大型複合商業施設がオープンした2011(平成23)年からは再び微増を続けています。

当初、工場専用として敷設された鉄道は、その運営主体や目的を変えながらも、水島地域の発展に大きく貢献してきました。地域を支える輸送サービスとして、さらなる充実が期待されています。

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・その大きさは世界2位! 児島湖はなぜ造られたのか?
・「晴れの国岡山」は「天文王国おかやま」だった!
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…などなど岡山のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 岡山を走る充実の交通網

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・西日本唯一の臨海鉄道線「水島臨海鉄道」の変遷を知る
・わずか16年で廃線になった、幻の三蟠鉄道
・津山扇形機関車庫から見る、岡山県の鉄道の歴史
・山陽新幹線は岡山発が多い?交通の要所・岡山駅のスゴさ
・日本で最も短い路面電車が地元で愛される理由

…などなど岡山ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 岡山で動いた歴史の瞬間

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・刀工集団・長船派は、どのようにして生まれたのか

…などなど岡山の発展の歩みをたどる。

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