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出島とオランダ商館の構造

出島はどのような島だったのでしょうか。数回にわたって行われてきた発掘調査の結果、出島の東・南・西側に護岸石垣が発見され、一部を修復・復元。現在見ることができるようになっています。

出島が扇形の地形になったのは、河口の砂洲を利用した結果であること、また旧海岸線に沿わせて弧状にし、海流の当たりをやわらげるために扇形になったとも考えられています。

出島の出入り口は表門と水門の2つ。西側の水門近くには、カピタン(商館長)部屋やヘトル(商館長次席)部屋、倉庫など重要な建物が置かれました。東南部には家畜の飼育小屋や菜園、花畑などがあり、食料保管に関わる工夫もされていました。オランダ人はにわとりや鴨のほか、当時の日本人にはなじみのうすい牛や豚を常食としており、それらを自前で調達するためでした。

出島とオランダ商館の構造

復元された出島のカピタン部屋。19世紀前半の室内の様子を再現しています。カピタン部屋は出島の建物の中でもっとも大きく、畳敷きの上にいすやテーブルが置かれていました。

出島に暮らしたオランダ人

出島にはオランダ商館長や次席、荷倉役、書記役など商館員のほか、医師、調理師、東南アジアから連れてきた召使いなどが暮らしていました。出島から出ることは許されず、日本人も出入りできるのはオランダ通詞、地役人ら限られた人間だけでした。

当時の記録を見ると、オランダ船が来航する6、7月以外の期間、オランダ商館員は暇を持て余していたようです。出島ではビリヤードやバドミントンなどの娯楽を楽しんでいました。嗜好品としてタバコも定着しており、白色粘土を型どって作られた素焼きのパイプ(クレーパイプ)が大量に出土しています。

出島のオランダ人の生活は意外と自由だった?

隔離された生活の中でも、新暦の正月には出島独自の新年の祝宴が行われ、日本人も招かれて饗宴をともにしました。日本人は珍しい食事にはほとんど手をつけず、家に持ち帰り、親戚に配るなどして食したといいます。

出島では本国と同じ食生活を送ることを許されていたので、本国から持ち込まれる食材も多くありました。記録されている積載リストには、ハム・チーズ類、ビスケット、パン、カリフラワー、マッシュルーム、燻製のタンやサーモン、 コーヒー豆、ワイン類など、日本では入手困難な多彩な食材があげられています。

ほかに芝居や楽器演奏などを楽しんでいた記録もあり、遊女の出入りも許されていました。厳しい鎖国政策の裏で、オランダ人は意外と自由に出島での生活を楽しんでいたようです。

>>出島を観光するならこちらの記事へ

出島

住所
長崎県長崎市出島町6-1
交通
JR長崎駅から長崎電気軌道1号系統崇福寺行きで6分、出島下車すぐ
料金
入場料=大人520円、高校生200円、小・中学生100円/(15名以上は団体割引あり)

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…など

Part.4 長崎で生まれた産業や文化

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