長崎駅の再開発①:大正~戦後復興(2~3代目)
大正時代には長崎駅の2代目駅舎が完成するも、戦時中の原爆によって市中心部から北部約670haにわたって大惨禍に見舞われ、駅舎も焼失しました。
戦後の復興で昭和24(1949)年、ステンドグラスをあしらった三角屋根が特徴の3代目駅舎が誕生。昭和57(1982)年までは、長崎駅から南に約1.1㎞の場所に上海航路連絡用の長崎港(みなと)駅があり、長崎駅〜長崎港駅は長崎本線ですが「臨港線」の通称で呼ばれていました。
長崎駅の再開発②:2000年(4代目)
2000年、駅舎の老朽化にともなって建築した4代目駅舎が完成。構内にはドーム状の屋根が設けられた「かもめ広場」ができ、駅と一体化したショッピング・アミューズメント施設が誕生したことで、列車の利用客以外の人々も利用する駅前空間となったのです。
長崎駅の再開発③:現在進行中の新駅ビル計画
さらに、駅周辺市街地の長年の課題となっていた踏切による交通渋滞、鉄道による東西市街地の分断を解消すべく「長崎本線連続立体交差事業」が2009年よりスタート。長崎駅と浦上駅を含む、約2.5㎞の区間の連続立体交差工事がほぼ完了し、高架線路に切り替えられました。
同時に、2022年開業予定の九州新幹線西九州ルートの整備と長崎駅周辺の土地区画整理によって、全国につながる高速交通ネットワーク整備と駅周辺の未利用地・低利用地の有効活用を促す取り組みも進行中です。
長崎駅周辺は再開発によりますます進化
そして、長崎駅周辺の街づくりにおける拠点となる、新駅ビルの開発も着々と進みます。新駅ビル計画では、既存の商業施設とホテルは存置しつつ、新たな商業施設、ホテル、オフィス、駐車場などを複合開発。海や山に隣接する景観に溶け込みつつ、国際観光都市の陸の玄関口にふさわしい、高さ60mを誇るランドマークが完成する予定です(2022〜2025年度にかけて順次段 階的に開業予定)。
駅前の整備においても、イベントが開催できる多目的広場、憩いの芝生広場、海の眺望を楽しめる空間や浦上川へつながるプロムナードなど、回遊性に富む歩行動線が確保され、バスや路面電車といった交通機関へのアクセスの利便性も考慮された再開発となっています。駅の誕生から1世紀を超え、長崎に新たな息吹がもたらされようとしています。
現在の長崎駅周辺
港に近い立地を有する長崎駅周辺の再開発計画では、県庁舎と県警本部庁舎の移転によって港の眺望をよりよくするなど、立地特性を踏まえた空間創出が意識されています。
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Part.1 地図で読み解く長崎の大地
・地殻変動と火山が生んだ唯一無二の景観! 海に囲まれ平地が少ない長崎の地形
・島の数971! 長崎は日本一の多島県
・火山活動が作ったダイナミックな地形! 島原半島ジオパークとは?
・長崎は江戸時代から埋立都市だった?
・「国境の島」対馬の特殊な生態系
・水中調査で解明! 横島沈没の謎
・国内初のティラノサウルス発掘! 長崎は白亜紀の化石の宝庫だった
・世界でも稀な西海市の七ツ釜鍾乳洞
・最先端をゆく五島の洋上風力発電
…など
Part.2 長崎に開かれた多彩な交通網
・初期の長崎本線は早岐経由だった
・新幹線開業に向け再開発中! 長崎駅の今昔
・新旧の車両が行き交う長崎電気軌道
・小島が国際空港に! 長崎空港は世界初の海上空港
・長崎が生んだ画期的な交通手段! 坂を上る日本初のエレベーターとは!?
・東洋一と称された西海橋の誕生
・進化を遂げた長崎街道の日見峠
・松浦鉄道には3つの日本一がある!?
・当時の面影が残る雲仙鉄道の廃線跡
・島原鉄道は奇跡のローカル線!?
・吉田初三郎が描いた 長崎の鳥瞰図
Part.3 長崎で動いた歴史の瞬間
・東アジアの一大交流拠点だった! 原の辻遺跡が語る古代の交易
・“神風”の謎が海底遺跡調査で判明!? 鷹島神崎遺跡から見る蒙古襲来
・ポルトガルが平戸で貿易を始めたワケ
・なぜ長崎は教会領になったのか
・町民が主役!? 特例だらけの貿易都市長崎の誕生
・ラクダを飼っていた!? オランダ人の出島生活の実態とは
・龍馬を襲った「いろは丸事件」の真実
・倒幕の裏には大村藩士の活躍があった
・人口約4000人の村が一変!? 寒村だった佐世保が大変貌したワケ
…など
Part.4 長崎で生まれた産業や文化
・印刷も写真も通信も長崎発祥!? 長崎は“日本初”を量産していた!
・世界遺産に登録された日本造船業の原点! 三菱長崎造船所のあゆみ
・細部まで技巧を凝らした圧巻の建築美! 数々の教会堂を手がけた鉄川与助とは
・テーマパークの枠に留まらない魅力に迫る! 進化するエコシティ ハウステンボス
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