豪渓の自然美～花崗岩が生み出す名勝地～

岡山県一帯に広く分布する花崗岩。地下深くでマグマがゆっくり冷えて固まった深成岩の一つであり、一般に、縦や横への節理と呼ばれる亀裂（割れ目）が発達しています。花崗岩は節理沿いに風化する特徴を持っています。

総社市（そうじゃし）の北部に位置する「豪渓」。高さ約330mの主峰・天柱山（てんちゅうざん）をはじめ、剣峰（けんがみね）、雲梯峰（うんていみね）、盒子岩（えぼしいわ）などの奇峰・奇岩が見られる渓谷で、高梁川（たかはしがわ）支流の槇谷川（まきだにがわ）が、花崗岩の台地を深く削ってできています。隆起準平原の吉備高原を削る新しい谷の最前線であり、遷急線（せんきゅうせん）直下の急傾斜地の典型的な地形です。

山地斜面を尾根から見下ろしたとき、急に傾斜がきつくなる地点（遷急点）を結んだ線を遷急線といいます。