長崎県は有人の島だけでも70を超える全国一島の多い県です。県域は東西213㎞、南北307㎞におよび県の地形は複雑ですが、大きく以下の３地域に分けられます。

①西彼杵（にしそのぎ）・長崎・北松浦半島・平戸地域
②五島・壱岐・対馬地域
③多良岳・島原半島地域

どの地域にも共通なのは大きな川はなく、平野部が少ないこと。海抜600m以下の低い山地丘陵が多いこと。そして海岸線は複雑なリアス海岸が続き、農業よりも漁業が盛んなことです。

地震の半数は島原半島に集中し、島原半島は別府―島原地溝帯に属する新しい変動地域となっています。

北松浦半島
北松浦半島や平戸島は地すべりの多発地帯。下位にある泥岩や凝灰岩などが変質風化して粘性が生成し、すべり面が形成されます。その上に重なる砂岩層が移動するのが地すべり。一方、九十九島には約200の無人の小島が散在します。

大村湾
針尾瀬戸と早岐瀬戸の2か所の狭い水道でのみ外海とつながる非常に閉鎖性の高い海域。最大水深は54mですが、平均は約15mと浅いです。夏になると海底の酸素濃度が低くなる貧酸素水塊が発生しやすいところです。

長崎港
平坦部が少ない坂の街で後背地もほとんどなく、海外との交易で発達しました。江戸時代は出島が唯一西欧との窓口として、明治以降は貿易港、外国船寄港、造船所として発展してきました。

雲仙岳
島原半島の大部分を占める雲仙岳は、東西20㎞、南北25㎞の活火山。雲仙岳とは半島の中央部にそびえる20以上の山々の総称をいいます。約50万年前に活動を開始し、古期の火山体と新期の火山体からなっています。

五島列島
大小150以上の島々が連なる列島。自然海浜や海蝕崖、火山景観など複雑で変化に富んだリアス海岸が続きます。海に突き出した山脈と海岸沿いにわずかな平地があります。

対馬
南北82㎞、東西18㎞で県内最大の島。韓国までの距離は約50㎞。対馬固有の生物や大陸系の動植物が生息します。島の約89%が山林で、島を南北に分けるように切り込んだリアス海岸の浅茅湾（あそうわん）は多島海の景勝地です。

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