【長野の城②】上田城
1583(天正11)年に信濃の真田昌幸によって築かれ、1585(天正13)年の第一次上田合戦と1600(慶長5)年の第二次上田合戦の二度にわたって、徳川軍を退けた難攻不落の城として知られています。本丸の南方が千曲川分流の尼ヶ淵(あまがふち)に面していたことから、別名「尼ヶ淵城」と呼ばれていたとの説もあります。関ヶ原の戦い後、昌幸と次男信繁(幸村)が紀州の九度山に配流となると、上田城は徳川氏によって徹底的に破壊されました。1622(元和8)年に小諸藩から仙石忠政が6万石で入城します。その後幕末まで仙石氏三代、松平氏七代にわたって上田城は守られてきました。廃藩置県ののち廃城となり、本丸にあった7基の櫓はひとつを残して売却。1949(昭和24)年に2基が戻され、復元されました。
上田城跡
- 住所
- 長野県上田市二の丸
- 交通
- JR北陸新幹線上田駅から徒歩15分
- 料金
- 観覧料(上田市立博物館・上田城櫓セット)=大人500円、高・大学生300円、小・中学生150円、未就学児無料/観覧料(上田市立博物館・上田城櫓それぞれ)=大人300円、高・大学生200円、小・中学生100円/(20名以上の団体は割引あり、障がい者本人と同伴者は無料)
【長野の城③】高島城
安土城や大坂城の築城にも携わった日根野高吉(ひねのたかよし)が16世紀末に築いた城です。1601(慶長6)年に諏訪頼水が入城してから、明治維新までの約270年のあいだ、諏訪氏の居城でした。諏訪湖と河川に囲まれ、水の上に浮いているように見えたため「諏訪の浮城」と呼ばれていました。天守の屋根が瓦葺きではなく、ヒノキ板を用いた杮(こけら)葺きなのは、湿地で地盤が弱かったからという説があります(現在の天守は、銅板葺きで杮葺きの茶色を再現)。甲州街道の宿場・上諏訪宿を兼ねた城下町は、城と一本道で結ばれています。城の南・東側に配された武家屋敷のうち唯一現存する志賀家住宅は、諏訪市の有形文化財。至るところで温泉が湧き、三の丸の湯は藩主と藩士、町の湯は庶民が利用しました。
高島城
- 住所
- 長野県諏訪市高島1丁目20-1
- 交通
- JR中央本線上諏訪駅から徒歩10分
- 料金
- 大人310円、小人150円(20名以上の団体は大人200円、小人100円、障がい者手帳持参で大人150円、小人無料)
【長野の城④】松代城
北信地方の重要な軍事・政治拠点。はじまりは、武田信玄が築いた「海津城(かいづじょう)」とされています。1622(元和8)年に真田信之が移封されて以来、明治維新まで真田氏の居城となりました。松代藩3代藩主・幸道のときに「松代城」と改名したとされています。
千曲川を自然の要害として利用し、本丸・二の丸を自然堤防上に築きましたが、たびたび氾濫に悩まされています。延享年間(1744~1747)に千曲川の流路を西へ変更する工事が行われ、現在も城の北西部に千曲川の流路跡が残ります。1770(明和7)年頃には、氾濫を避けて藩主居所などが花の丸に移されました。南部につくられた城下町は、北国脇往還沿いに町屋が並び、その周囲を武家屋敷が取り囲む配置となっています。
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Part.1 地図で読み解く長野の大地
・地形・地質総論「東西から圧縮されている長野」
・伊那山地と南アルプスを縦貫!日本最大の断層・中央構造線
・大地溝帯フォッサマグナとかつて信州が海だった証
・火山活動の歴史を物語る山容 八ヶ岳連峰の南北で大きな違い
・北アルプス唯一の活火山!焼岳の噴火と上高地盆地の形成
・天竜川と断層で形成された伊那谷の日本一の河岸段丘
・野尻湖のナウマンゾウ化石に旧石器人の生活が見える?
・千曲川沿いの段丘上に築かれ、急崖と川が守る上田城のすごさ
などなど長野のダイナミックな自然のポイントを解説。
Part.2 長野を駆け抜ける鉄道網
・高崎~長野の長野新幹線に始まり敦賀への延伸を目指す北陸新幹線
・66.7パーミルの勾配路線だった信越本線碓氷峠とは?
・東京と名古屋を結ぶ大幹線で山岳地帯を駆け抜ける中央本線
・明治期に開通し善光寺平と松本盆地を結ぶ篠ノ井線
・伊那谷やアルプスを望み旧型国電も走った飯田線
・県内最大の路線網を誇った、私鉄・長野電鉄の変遷
・別所温泉に向かう温泉電車、上田電鉄別所線の魅力
などなど長野ならではの鉄道事情を網羅。
Part.3 長野で動いた歴史の瞬間
・縄文遺跡の宝庫・信州は日本一の人口密度だった!?
・信濃の国は有数の馬産地! 都に名を馳せた望月の駒とは?
・弓馬に長けた信濃武士が源氏配下として平氏討伐
・信州の南北戦争と呼ばれる大塔合戦はどうして起きた?
・甲斐武田信玄vs越後の上杉謙信、二大英雄が激戦を演じた川中島
・流転した善光寺の本尊は天下人の元に安置された?
・松本の貞亨騒動や上田の宝暦騒動 信州で百姓一揆が続発したわけ
・松本城が直面した取り壊し危機 救ったのは松本の住民だった!
などなど、激動の長野の歴史に興味を惹きつける。
Part.4 長野で育まれた産業や文化
・江戸時代に整備された用水路 五郎兵衛用水路とは?
・信州の気候風土を生かした寒冷地農業のここがすごい!
・蚕糸王国として栄えた長野県が電気機械工業県に変貌したわけ
・明治期の外国人別荘に始まる軽井沢エリアのリゾート化
・洪水を繰り返してきた暴れ川、千曲川を巡る治水事業の全容
・日本三大奇祭に数えられる、諏訪大社の御柱祭の本質とは!?
などなど長野の発展の歩みをたどる。
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