目次
長野電鉄の歴史は河東鉄道からはじまる
始まりは大正期の河東鉄道(かとうてつどう)で、これはJR小海線の前身、佐久鉄道の本州横断鉄道計画の一部である屋代(やしろ)~須坂(すざか)間を譲り受けたものです。河東鉄道も佐久鉄道が出資していました。1922(大正11)年6月、同区間(のちの屋代線、2012年廃止)が開業し、信州中野駅、木島(きじま)駅へ延伸(のちの河東線、2002年廃止)しました。
他方、河東地方と長野を結ぶ長野電気鉄道が設立され、1926(大正15)年6月に権堂(ごんどう)~須坂間を開業。さらに長野駅へ乗り入れるため、千曲川に鉄道・道路併用橋の村山橋を長野県と共同で建設、同年に完成します。この間、河東鉄道と長野電気鉄道が合併して長野電鉄となり、翌27年4月に信州中野~湯田中間が開業、1928(昭和3)年6月には権堂~長野間が開業します。
一時は、旧・信越本線から上野駅発の急行が乗り入れるなど活況を呈していましたが、現在は長野線だけの運転となっています。
長野電鉄の歴史を車両から見る~首都圏を駆け抜けた名車が一堂に!
車両も、自社発注の特急電車や通勤車両から、他社からの譲渡車だけの運行になりました。しかし、この車両がすごいのです。
長野電鉄の車両①:元・小田急電鉄のロマンスカー1000形Hi-SE
「ゆけむり」の愛称が付き、湯田中温泉に向かう特急で親しまれている1000系は、元・小田急電鉄のロマンスカー1000形Hi-SEです。ハイデッカー構造、赤と白のきれいな車体、展望席などロマンスカー時代に好評だったオリジナル設備がそのままで、観光案内列車「ゆけむり~のんびり号~」にも使用され人気を集めています。今や長野電鉄の看板電車となりました。
長野電鉄の車両②:元・JRの初代成田エクスプレス253系
同じく、特急に使用される「スノーモンキー」こと2100系は、成田空港へのアクセス特急として使用されたJRの初代・成田エクスプレスの253系です。成田エクスプレスのイメージカラー赤・白・黒も踏襲され、JR時代のグリーン個室もあります。
長野電鉄の車両③:元・営団地下鉄の初代日比谷線3000系
普通列車用の3500系は、元・営団地下鉄(現・東京メトロ)の3000系で日比谷(ひびや)線の初代車両です。車齢が高いため廃車が進んでいますが、置き換えのために入線した3000系は、これも元・東京メトロ日比谷線の03系。長野電鉄では新旧の日比谷線車両が見られ、いずれも車体に赤帯を追加した程度で、その姿は日比谷線時代とほとんど変わりありません。
長野電鉄の車両④:元・東急田園都市線8500系
また8500系は、東急田園都市線で現役の8500系であり、こちらも東急時代と変わらぬ姿をしています。
首都圏ではあり得なかった各社の車両が駅で並ぶ光景は新鮮で、懐かしさもあります。見ても乗ってもじつに楽しい路線です。
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長野県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。長野の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報満載!
Part.1 地図で読み解く長野の大地
・地形・地質総論「東西から圧縮されている長野」
・伊那山地と南アルプスを縦貫!日本最大の断層・中央構造線
・大地溝帯フォッサマグナとかつて信州が海だった証
・火山活動の歴史を物語る山容 八ヶ岳連峰の南北で大きな違い
・北アルプス唯一の活火山!焼岳の噴火と上高地盆地の形成
・天竜川と断層で形成された伊那谷の日本一の河岸段丘
・野尻湖のナウマンゾウ化石に旧石器人の生活が見える?
・千曲川沿いの段丘上に築かれ、急崖と川が守る上田城のすごさ
などなど長野のダイナミックな自然のポイントを解説。
Part.2 長野を駆け抜ける鉄道網
・高崎~長野の長野新幹線に始まり敦賀への延伸を目指す北陸新幹線
・66.7パーミルの勾配路線だった信越本線碓氷峠とは?
・東京と名古屋を結ぶ大幹線で山岳地帯を駆け抜ける中央本線
・明治期に開通し善光寺平と松本盆地を結ぶ篠ノ井線
・伊那谷やアルプスを望み旧型国電も走った飯田線
・県内最大の路線網を誇った、私鉄・長野電鉄の変遷
・別所温泉に向かう温泉電車、上田電鉄別所線の魅力
などなど長野ならではの鉄道事情を網羅。
Part.3 長野で動いた歴史の瞬間
・縄文遺跡の宝庫・信州は日本一の人口密度だった!?
・信濃の国は有数の馬産地! 都に名を馳せた望月の駒とは?
・弓馬に長けた信濃武士が源氏配下として平氏討伐
・信州の南北戦争と呼ばれる大塔合戦はどうして起きた?
・甲斐武田信玄vs越後の上杉謙信、二大英雄が激戦を演じた川中島
・流転した善光寺の本尊は天下人の元に安置された?
・松本の貞亨騒動や上田の宝暦騒動 信州で百姓一揆が続発したわけ
・松本城が直面した取り壊し危機 救ったのは松本の住民だった!
などなど、激動の長野の歴史に興味を惹きつける。
Part.4 長野で育まれた産業や文化
・江戸時代に整備された用水路 五郎兵衛用水路とは?
・信州の気候風土を生かした寒冷地農業のここがすごい!
・蚕糸王国として栄えた長野県が電気機械工業県に変貌したわけ
・明治期の外国人別荘に始まる軽井沢エリアのリゾート化
・洪水を繰り返してきた暴れ川、千曲川を巡る治水事業の全容
・日本三大奇祭に数えられる、諏訪大社の御柱祭の本質とは!?
などなど長野の発展の歩みをたどる。
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